38 人間の自然へのカルマ

 夜なので、見えるはずのないのに、

目を赤く光らせ、辺りを照らし、森の木々を腰の位置辺りにして、


(ドーン!)(ドーン!)

と、アリシャへと、向かってくる巨人。

 

「アリシャ!・・?」

カムイは心配する。直ぐに城を出ようと準備する。


その時(カムイ様)

心に、アリシャの声がする。


「えっ?!」


(城の皆さんを、頼みます)

更に聞こえる。


「ア・・アリシャ?君はどうするの?」


(私はここに)


「だめだ!危険だよ」


(ドーン。バキバキ!)

巨人は森を抜けアリシャに、迫っている。


(カムイ様)

頷くアリシャ。頼んでいる様子が伺える。


「・・アリシャ」

カムイは、再びアリシャに、危険な事を任せるのを、残念がりながら、頷く。


「でも、無理しちゃ駄目だよ!・・」


「はい」


本当、ずっと助けてもらってばっかりだ・・

そう思い悔しみながらも、見つめる。


(アリシャ、必ず無事で!・・!)

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