23 居るべき場所へと

巨大な竜巻の中に、残ったのはカムイと

アリシャだけ。

囚人たち全ては、風の中に飲み込まれた。


アリシャは、ゆっくりと、手を上げ始める。

すると竜巻も同時に、地面から浮き始める。


そして、手の平を上へと翻す。

と、一気に上空へと竜巻が浮く。


(ゴオオ)

今上空の一部だけが、暴風圏になっている。

その中に捕らえられている、囚人たち。

 

アリシャは


「求めるべきところへ、行って」

と言うと、アバランテの方へ身体を向ける。

すると、暴風圏全体が、

(ブーン)と飛んでいった。


―――――――


一気に晴れ渡る空


「すごい・・」

カムイは、アリシャには、感心してばかり。

我ながら思っている。

上空の、暴風圏を送った方角はアバランテ。

どうしてだろう?色んな思いが錯綜する中。


「相変わらず凄いね・・」

カムイは感心して言う。


「そんなことは」

 

あれだけの暴風が吹き荒れたのに、前と自然の変化はほとんどない。

自然の力を借りた、魔法だったため。


「でも、ここまで、ポルゾイの仲間が

来るなんて・・」

つまりは、ここに隠れていたのが、

バレたという事。

アバランテの城下町の事が、凄く心配になるカムイ。


「僕は、国王に選ばれなかったんだ・・」

心配して、行きたくても、国民が、歓迎してくれないだろうな。

とカムイは思っていて、顔を伏せる。


「実は、あの時」

アリシャは、心配そうにカムイを見ながら、手を動かす。


「ポルゾイの、記憶を、写してきたんです」

すると前の地面に、ボール大の、紫の丸い、エネルギーが、低空を浮いて出現する。


「えっ?・・!」

アリシャは、ポルゾイと直接、話した時、

記憶をコピーしていた。真実を調べるため。


「5日前の記憶です」

それは、カムイの父が亡くなった日。


「父上・・」


「すみません」

アリシャは謝る。勝手にポルゾイに、会いに行って、記憶をコピーしてきたことを。


この紫のエネルギーに触れれば、ポルゾイの記憶が自由に見れる。

でも、紫色はを表す色。良くない記憶なのを示唆している。

見るか否かは、カムイしだい。


「僕は・・国王エクシズの、息子だ!」

カムイは決意すると、触れた。

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