17 修羅の王

「大量の酒と奴隷を用意しろ!」

とポルゾイは大声で言うと、足の傷が痛く、王座に倒れ込む。


いつも、アルコールで酔って、市民に暴力を振るうのが、

ポルゾイのストレス解消法。


しかし、誰も来ない。


「無礼者め!」

それに答えたのは、


「ヒヒ。騒々しいの」

ケル。


「じじい!用は無い!」

思い通りに事がいかず、イライラしている、ポルゾイ。


「わしはあるんじゃ」

そう言うと、杖を壁に振りかざす、すると。

そこに、映像が映し出される。


「?!」

そこは森の中の湖。城が浮いている。

そこには、カムイが居た。


「おい!?・・!」

ポルゾイは、ケガを忘れて立ち、壁を斬る。


「いてえ!」

痛みでのたうつ。


「騒々しい」

とケルは杖を振ってポルゾイの傷を治す。


「治せるのか!」

物を投げる。さっさと治さなかったことに、

腹を立てているようだ。


「・・・」

ケルは杖を手にして


「落ち着け」

と言い、ポルゾイの顔の前に持ってくる。


動きが停まるポルゾイ。


「・・・」


「話を聞け」

ケルは静かに睨みながら言う。


「カムイの居る場所は、遥か西の湖じゃ」

紫の枠のモニターに映る映像。


「・・なに?!」

ポルゾイは、戦争で殺したカムイの仲間が、

全員生きているのを見て驚く。

城もボロボロにしたはずなのに、直ってる。


「女の魔法の仕業じゃ」

ケルは言う。


「女?!」

驚く、ポルゾイ。アリシャの事がトラウマになっていた。


「・・せっかく殺した者どもが!」

ポルゾイは悔しそうに言う。


「これは幻じゃ」

とケルは言った。

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