18 闇の陰謀

「なに?幻?」

ポルゾイはアリシャと会った時を思い出す。

圧倒的な力の差だった。


「女は剣を止めたぞ!」

会った時の強さは、人知を超えていた。


「実は生き返っていない。幻の人間ども」

映像を観ながら笑う。

「わしの目はごまかせぬ」

ケルは言う。


「それじゃ、勝てるのか?」

ポルゾイは言う。

その時、ケルは杖をポルゾイの頭に乗せる。


「てめえ!!」

拳で殴るポルゾイ。


(ピタッ)


「!?」

拳が止まる。


「剣を止めるなど、たやすい事」

 

「何故だ?」

ポルゾイは驚いている


「ヒヒ。神経をマヒさせる」

ポルゾイの神経を、魔法で止めた。


「??」

解っていない、ポルゾイ。


ケルは映像を杖で動かす。と、アリシャが映る。


「!!」

と怯えるポルゾイ。


「ヒヒ。良い素材じゃ」

映像のアリシャに、手で触れるケル。


「面白いことがある」


女子おなごは、攻撃魔法を使えぬのじゃ」

と言う。アリシャがポルゾイと会っていた時、

ケルは闇の触手で、アリシャをこっそりと、調べていた。

 

やがて、脳内に侵入すると、一般人と同じ反応。つまり、無反応。

 更に調べると、攻撃魔法を覚えていない、という事が判明した。


「魔導士が、脳内に入られて、気付かない、とはあきれた事じゃ」

心臓にナイフを当てられたようなもの。


 ケルはひっそりと闇のチップを侵入させた、

カムイの位置を調べるために。


それから、位置を探知して、見つけた。


「殺す!!」

血走りながら言うポルゾイ。


「まだじゃ」

と答えるケル。


「なんでだ!?」

ポルゾイは今にも攻めそうだ。


「まずはレベッカの確保が先じゃ」

と、言うと、城下町へと視線を向け、

魔法陣と共にケルは消える。


(ドカッ!!)


「・・くそ!!」

残されたポルゾイは、憎悪の目で壁を殴る。


「関係ない!!殺してやる!!」

出撃の準備を始めた。

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