16 レベッカへの報復

「無礼者!」


城に帰るなり、ケルに物を投げるポルゾイ。


「教えろよ、てめえ!」

ポルゾイは、ケルが前もって、レベッカが、創った宝石が、

偽物だと知っていたとみて、キレている。

怪我した足を、痛がりながら怒鳴る。


錬金術士レベッカと会う事、何故教えなかった?」

 とケルは言う。計画では、先にカムイ派の市民の全滅だった。

しかし、ポルゾイは、その計画を破り、

レベッカに会いに行っていた。


「生意気な!!」

とポルゾイは怒鳴る。


「ヒヒ。誰を怒っておるのじゃ?」

ケルは笑いながら言う。


「ぐ!王として罰を与える!レベッカを殺す!」

ポルゾイはレベッカに復讐するため、

再びフェアリーの店へ向かった。


――――――――


松葉つえを突きながら、店に入ると、


(ドカ!)

と、ドアを開ける。

しかしそこには、先ほどの、青く丸い空間はどこにも無かった。


「なに!?」

驚愕するポルゾイ。キョロキョロしながら、

レベッカと子供を探すも、誰も居ない。


「どこに行った?!」

店はもぬけの殻、さっきとは別の部屋のよう

アクセサリーも、店の売り物も消えていた。


ポルゾイは

「くそお!!」

と叫びながら、足の痛みも忘れ暴れまわる。


しかしその内、怪我が痛くなり城へと帰る。

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