第12話

第12話 真の剣


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「魔法少女が、街を壊した」

「魔法少女が、人を殺した」

「魔法少女は敵だ」

「敵だ」

「害悪だ」

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「ところでみなさん」

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「…ごちそうさまでした」

「真さん…」

真は箸を置いた。ほとんど減っていない夕食を見て、母親が心配そうに声をかける。

「具合でも悪いんですか?おかゆでも作りましょうか?」

「いえ、すみません、ちょっと食欲が…大丈夫なので…」

「ねーちゃんもういいの?じゃあこれ僕が貰っていい?」

「兼介さん!」

「ああ、食べていいよ。食べすぎないようにな」

心配など全くしていない弟の態度に少しだけ笑みを浮かべ、真は食卓を後にした。

「お父さん…真さん、大丈夫でしょうか…」

「…」

父は答えず、無言で箸を動かし続ける。


夜の道場。その広い空間で真は一人、正座していた。頭にあるのは、死んでいった仲間たちのこと。残された自分たちのこと。そして、魔法のこと。

沙弥を思う。おっとりとした優しい少女。周囲の全てを変容させる魔法暴走に取り込まれ、自分自身をも変えて死んでしまった。彼女は最後に何を伝えたかったのか。

楽子を思う。軟派ではあるが、仲間思いでムードメーカーの少女。人の心に干渉する魔法は、暴走によって多くの人を狂わせた、のだろう。直接的にも間接的にも確認してはいないし信じたくはないが、状況が彼女の死を肯定している。

孝美を思う。自他に厳しく責任感のある少女。魔法暴走が及ぼす被害に耐えられなくなったのか、自ら命を断ってしまった。その覚悟、その苦悩はいかほどだったのか。

(わたしは…どうするべきなんだ…)

自分の魔法も、恐らく近く暴走する事だろう。そして、ゆいも。残された自分たちの魔法は、殺傷能力に関しては仲間たちの中でも上位と言っていいだろう。そんな魔法が暴走したら何が起こってしまうのか。暴走は止められないのか。

(いや、止める方法は…ある。一つ確実な方法が)

沙弥と孝美が立証してくれている。死ねば、止まるのだ。だが、しかし。

(ゆいにも死ねと言うしかないのか…?それとも、一人で死ぬしかないのか…?ゆいや、家族を置き去りにして…)

苦悩する。人の助けとなるための、自分の剣。このままではそれが人を傷つける。しかし止めるために命を断てば、家族や知人が傷つくだろう。

(いや、違う…)

結局のところ、怖いのだ。死ぬのが。

(情けないな、わたしは。いざ戦いとなれば偉そうに先陣を切っておいて、今さら死ぬのが怖いなど)

いっそゆいの魔法で真っ二つにしてもらえたら楽なのに、と一瞬考えて、慌てて首を振る。最低だ。自分が楽になるために、友の手を汚させようなど。

「だいぶ参っているようだな」

突然の声に、体がビクッと反応し体勢が崩れる。いつの間にか正面に、父が座っていた。

「父様…」

「俺は悲しいよ、真。そこまで思い詰めているのに何も相談してくれないとはな。父はそんなに頼りないか?」

「いえ、そんな、ことは…」

「そりゃあ俺は剣しか取り柄のないような馬鹿だ。内容によっては力にはなれんかもしれんが、話を聞くくらいならできるぞ。それとも俺には話せないような類いの悩みか?」

その通りだった。魔法の事など、普通の人間である父に話してもしょうがない。だが他の誰ならば意味があるのかと言うと…強いて言えばゆいなのだが、こんな状態で話したところでろくな結論が出るとは思えない。

「…あの…抽象的な話になってしまうのですが」

それでも真は、俯きながら話し始めた。何か解決されるとは期待していない、してはいけない。それでも父なら、自分が最も尊敬し信頼する父であれば、何らかの助けになってくれるのではないかと。

「自分の力が扱い切れず、他人に多大な迷惑を…取り返しのつかない事態を起こしかねないとしたら、どうしたら良いのでしょうか」

「扱い切れないのか」

「はい」

「その力を使わなかったり、捨てたり、封印することは?」

「…わかりませんが、おそらく、できません…」

「ふーむ…難しい悩みだな。正直どうしたら良いのか、何が正解なのか、その答えは俺にもわからん」

「…はい」

分かっていたことだ。落胆はしない。

「ただこれだけは言えるし、言っておく。俺に黙って消えたりするのは許さんぞ、『青の魔法少女』よ」

真ははっと顔を上げる。

「…気付いて……?」

父は、にかっと笑って見せた。

「気付けんようなら父親失格、というのは少し言い過ぎかな?俺も最近気付いたばかりだ」

「父様…」

「お前がさっき言ったことも、何に悩んでいるかも、だいたい察しはつく。だからと言って」

「父様…!」

真は父の胸に顔を埋め、服が汚れることも厭わず涙を流し、嗚咽と共に心情を吐露する。

「わたしは、誰も殺していません…」

「そうか」

「誰も、殺したくありません…」

「そうか」

「しかしわたしの、この力は…これがあると、父様が、母様が、兼介が、みんなが…」

「…」

そこからは言葉にならなかった。父も何も言わず、真を優しく抱き締めていた。

しばらくして真が落ち着いてくると、父は真と向き合い、その目をまっすぐに見つめる。

「真、お前は強い子だ」

「いえ、わたしなど…」

「いいや!強い!」

力強く言い放つ。信頼する人間からの全力の肯定に、思わず心が震える。

「人を守る真の剣。人とは他人のみにあらず。知人も家族も、自分自身をも守る真の剣…体現してみせよ。そんな力に負けるな」

「そんなこと…」

出来るわけがない。相手は超常の力。沙弥も、楽子も、孝美も勝てなかった。だからこそ悩んでいるのだ。だが父は、それを言わせてくれなかった。

「出来る!お前は俺の、自慢の娘だからな!はっはっはっはっは!」

そこには理屈も根拠も身も蓋も、何もない。だがだからこそ、理屈抜きの無条件の信頼だけがある。

「…え、えへへ…あははは…!」

つられて、真も笑い出す。父の言葉で生きる気力が湧いてくる、生き抜く明日が見えてくる。そうすると、生きるか死ぬかの瀬戸際で悩んでいた自分が、ひどく滑稽に思えてきた。

ふと、笑い声に混じって別の声が聞こえてくる。抗議の声だ。真の、胃袋からの。真は顔を赤らめ、父は優しく微笑む。

「母さんにお前の分を残してもらってある。それを食べて、今日はもう寝ろ。明日からゆっくり考えればいい。もちろん、俺も出来る限り手伝うぞ」

「はい!ありがとうございます!」

真は道場を後にする。その顔には苦悩も憂いもなく、ただ希望に満ちていた。


真は父の言った通り、夕食の残りをたいらげた。母はその様子を見て、元気になったと喜んでいた。兼介が「姉ちゃん腹いたいの治ったの?」とからかってきたから、頭を軽く小突いてやった。そういったいつもの日常が、とてもいとおしく思えた。絶望にまみれた後だからこそひしひしと感じる。世界は、こんなにも喜びに満ち溢れていたのだ。

(やはり父様はすごい。未熟なわたしの悩みなど笑い飛ばしてしまわれた)

温かい風呂も、柔らかい布団も、昨日とは全く違ったものに感じた。

(そうだとも、わたしは真。真の剣の道を往く、偉大なる父様の娘だ。こんな力なんかに負けるものか!力に打ち勝ち、そしてまた魔法少女としての活動を再開しよう。最初は恐れられるだろうが、地道に実績を積んでいけばいつかみんなが話を聞いてくれる時が来る。解ってくれる時は必ず来る)

布団の中で、希望を胸に、決意を新たにする。

(その時はまず、3人の仲間たちのことを話そう。強く優しい3人の魔法少女がいたことを)

これは、ある種の仇討ちだ。彼女たちの死に、明確な敵はいない。ならば彼女らに着せられた汚名と誤解を払拭することが、このどうしようもない運命というものに対して仇を討つということにあたるのだろう。真は、そう考えた。

(そしてその時はもちろん、君も一緒にいてくれるな?ゆい)

ゆいもきっと、不安と絶望に駈られているだろう。さっきまでの自分のように。元気付けてやらねばならない、さっきの父様のように。できるだろうか?やってみせる。最後に残った大切な仲間なのだから。

そして真は目を閉じた、明日のために。


だが、深夜。真は朝日を待たずして目を覚ました。

(なんだ…?)

何やら外が騒がしい。大勢の人がざわついている声がする。今日は祭りの日ではないし、その他の催しにも心当たりはない。それに何やら、外の空気は妙に殺気だっているようにも思える。

「父様」

部屋を出ると、廊下で父と出くわした。深刻そうな顔をしている。

「真、少し厄介な事になった」

「…と、言いますと」

「被害者の皆さん!」

外から大きな声が聞こえてきた。この騒動の首謀者だろうか。

「この家の娘が凶悪なる魔法少女の一人です!」

「!?」

その言葉に、真は愕然とした。正体がバレている。しかも、住所まで。

「しかし憎しみに駆られ殺してはなりません、我々は獰猛で凶暴な魔法少女とは違います!捕えて罪を償わせるのです!」

オオーという歓声。この集団、ただの暴徒というわけではなく、統率はとれているようだ。おそらくは、魔法少女に対する怒りと恐怖で。

「真、お前は逃げなさい」

「え…しかし、それでは父様たちは…」

「なに、連中の目当てはお前一人のようだから、いないと解れば切り上げていくだろう。家探しくらいはされるかもしれんがな。それに荒事になったとして、俺があんな連中に後れを取ると思うか?」

にっと笑う。確かに父の腕ならば、そこらへんの大人が束になったところで敵うまい。

「一番まずいのはお前が捕まってしまう事だ。あいつらが何をするか分かったものではない。ここは一度、身を隠してくれ」

「…はい」

真は悔しそうに返事を絞り出す。希望を持った矢先にこれか。だがまだ終わりではない、ここから始めるのだ。このどん底から。

真は服を着替え、帽子を目深に被る。簡易な変装ではあるが、夜闇と人混みに紛れられればこれでも十分だろう。鞄に最低限の荷物を詰め、父からもらった封筒を入れる。それには幾ばくかの金と、信頼できる知り合いの連絡先が書かれたメモが入っている。

「直接の連絡は避けた方が良いな。まずそこの誰かに匿ってもらい、その人経由で連絡を寄越してくれ」

「解りました」

「よし。では俺は、お客人の出迎えに行くかな」

「はい。…お気を付けて」

「お前もな」


舘山家は古めかしいがしっかりとした作りの塀に囲まれているため、暴徒が四方から雪崩れ込むということはない。ざわつきながら家を囲み、門が開くのを待っている。街灯はあるものの塀の全てをカバーしているわけではなく、暗い部分はそこかしこにある。まして人混み、熱狂状態。塀の上を見上げる人間は皆無だった。

「誰か出てきたぞ!」

門が開き、父が出てくる。群衆の視線が集中する。それに乗じて、小さな影がひとつ、塀の上から降り立った。

(父様…)

人混みに紛れ、門の方に視線を向ける。父は堂々とした態度で代表者と何事か話している。その遠く、小さな姿を瞳に焼き付ける。これからの苦難に立ち向かう勇気を貰うため。

「え…」

突然、父の体が小さく震えたかと思うと、その場に崩れ落ちた。倒れる寸前、父の胸が赤く染まっているのが見えた。対峙していた代表者たちは門の中へと入っていき、群衆がそれに続く。茫然と立ち尽くす真は人に押されて、帽子を落とす。

「…ん?こいつは…」

群衆の一人が真の姿を確認すると同時に、真は魔法少女の姿へと変身した。

「青の…」

「うわああああああああっ!」

「魔法少…!」

叫ぶ、駆け出す、剣を抜く。旋風がごとき激しさをもって周囲の人間をなぎ倒し、一気に門へと駆け抜ける。

「父…様…」

そこには、父の亡骸があった。服の胸に3つの穴。銃創だ。いずれも心臓を貫いている。おそらく、即死だったろう。

「死ね化け物め!」

後ろから一人の男が包丁を振り上げて突き刺そうとする。

「…化け物だと?」

真は振り向き様に包丁を弾き飛ばすと、その勢いで男に斬撃を食らわせる。スタン効果によって、男は気を失い倒れる。

「化け物とは…恐怖に駆られ狂言に踊らされ凶行に走る貴様らのごときを言う!」

次々と襲い来る群衆を斬り伏せて、真は門の中に飛び込む。

(母様、兼介…!)

守らねば。本来無関係なはずの父を殺めた今のこいつらが二人を見つけたら…想像に難くない。立ちはだかる連中を次々と切り捨てて一気に両親の寝室へと向かう。

「母様!兼…す…け…」

だが、一足遅かった。開けっぱなしになった襖の傍らに倒れている、母と弟。二人とも血塗れだが、母の傷が特にひどい。兼介をかばって、殺意を一身に受け止めたのだろう。

真は全身から力が抜けていくのを感じた。いつの間にか、床にへたりこんでいた。

失った。父を、母を、弟を。こうも簡単に、こうもあっけなく。

「はぁ…はぁ…」

耳元で大きな呼吸音。それが自分のものであると気付くのに少し時間を要した。息が苦しい。涙が止まらない。唇が戦慄く。悲しみ、怒り、絶望、そういった感情が胸の中で渦を巻く。

「いたぞ!」

だが状況は、真に悲しむ時間を与えてはくれない。後続の一人が真を発見し仲間を呼ぶ。

「…ぁぁぁぁぁあああああああ!」

真は叫び、手に持った刀を思いっきり…床に突き刺した。そして部屋の中に飛び込む。

「逃げたぞ!」

「捕まえろ!」

追って中に入る男たちと入れ違いに部屋から飛び出す青い閃光。

「かっ…がっ…!あああああ!」

「足ィ…足がぁぁ…」

「っ!…………っ!…っ!」

悶絶し倒れる男たち。腕を、足を、脇腹を押さえて床を転げ回る。

「痛いか…そうか…だが…だがな…!」

真の手には木刀。父が素振りに使っていたものの一つだ。真は魔法の刀を捨て、それに持ち変えていた。魔法は暴走の危険がある、そうでなくても今の心情では怒りに任せて切れ味を最大にしかねない。

全ては人を殺めぬために。真なる剣を、父の教えを守り抜くために。

「父様、母様、兼介…今は置いていくことを…お許しください…!」

真は再び門へと走る。もう、ここには守るべきものはない。次に向かうべき場所は。

(ゆい…!)

自分がこうして襲撃を受けているのだから、ゆいも同じ状況にあるのではないか?確証はない、むしろ行くことで彼女を危険に晒すことになるかもしれない。だが、もう御免だった。間に合わず、守れないのは。

まだまだ敵は入ってくる。切りがないようにも思える敵をひたすらに斬り続ける。得物の関係上、狭い屋内は不利だ。玄関に続く廊下を避け、屋外を迂回すべく中庭へと飛び出す。

「こっちだ!来てくれ!」

そちらにも敵はいた。想定内だ。襲いかかる連中の足を打つ、腕を打つ、腹を打つ。次々と行動不能に追い込んで門の方へと走る。

「くらえ!」

「!」

角を曲がったところで待ち伏せを受けた。男は大きくバットを振り上げている。だが、自分の方が速い。木刀を横薙ぎにして胴を打つ。

「…あ…?」

違和感。自分は確かに、相手の脇腹めがけて木刀を左から右に振った。間合いを見誤るはずはない。

では、なぜ、こんなにも手応えがない?

その答えは、次の瞬間示された。

服が切れる。

肌が切れる。

肉が切れる。

骨が切れる。

上半身が横滑りして地面に落ちる。

魔法暴走。その力は魔法の刀のみならず、真の握る刀状のもの全てに及んでいた。ただの木刀は鋭利な刃と化し、相手の胴体をすらりと切断したのだ。

真の頭はその事を瞬時に理解した。反して心は、目の前の事実を受け止めきれずにいた。

「なん…なんで…わたし…父様の木刀で…人、人を…父様の…父様…真の剣…」

腕が震える、握力がなくなりからんと木刀を落とす。激しく動揺し、鼓動を早める心臓。そして。

――パァン。

鳴り響く発砲音。

(あ…)

真は胸から吹き出す血と、ゆっくり近付いてくる地面を見て、後ろから撃たれたのだと理解した。血と共に力が、命がこぼれていくのが解る。

「やった…やったぞ!父さんの仇!ざまあみろ魔法少」

数発の銃声、そして途切れた少年の声。近くで起きているはずのそれらが、遥か遠くから聞こえる。

『…チッ。誰だ、ガキに銃持たせたのは』

この騒動の首謀者、真の父を撃った男が何か言っている。日本語ではない言葉なので真には何を言っているのか理解できないのだが、そんなことはどうでも良かった。残された僅かな時間で、どうしてもしておなければならない事があった。

(すみません…わたしのミスで、命を奪ってしまいました…取り返しのつかないことをしてしまいました…)

謝罪だ。まず、さっき殺してしまった名も知らぬ男に対して。

(すまない、沙弥、楽子、孝美…仇は討てそうにない…)

そして、先に逝った仲間たちに。

『おい、失敗だ。死んじまった。ボーナスはチャラだよ。せめて死体だけでも持って帰るぞ』

(ゆい、一人にしてしまうな…本当にすまない…)

残された仲間に。

『銃を配った連中の口封じはぬかるなよ。あとガキに渡したバカは誰だ』

(母様、兼介…間に合わなくて、守れなくてごめん……)

守れなかった母と弟に。

『ああそうだ、大事な実験サンプルだからな。丁重に運べよ。服もだ、全部拾ってけ』

そして。

(父様…わたしはやはり、どうしようもない未熟者でした…)

尊敬する父に。


遠くで歓声が聞こえる。悪しき魔法少女を成敗した勝利の歓声だ。それは何か、とても腹立たしいことのように思えたが、もうなにも考えることができない。

ひどく寒い。

ひどく眠い。

真は、ゆっくりと瞼を閉じた。


<これで全部>


つづく

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