合流
ズシーーーーン
空気が震えが伝わってくる。遠くからでも門が崩れるのが確認出来る。
「門が崩れますわね。この状況でも予定通り門を壊す、お姉さま流石ですわ」
ニサは目を輝かせている。
「むっ これで 入れる」
メサイアがそう言ったとき目の前に何かが近づいてくるのが確認出来た。
「むっ ニサ 敵が来た」
「ええ、天使兵の部隊みたいですわね。恨みはありませんが邪魔をするなら蹴散らすまでですわ」
「むっ 確かに」
2人は敵に向かって加速して突っ込んで行く。
***
「トゥオネラ隊長、前方に対象の敵を確認しました。このままだと10分後には交戦になります」
トゥオネラと呼ばれた天使は考える。事前の情報によるとおそらく前から来る2名は「ニサ」「メサイア」だろう。
天使兵の中でも精鋭の元アイネ隊の2人。油断するつもりは無いが5人の中でも実力は下の2人。
自分1人なら厳しいかもしれないが隊員は自分含めて18人。部隊全員でかかれば勝機はある。
「そのまま迎え討つぞ! ニサ、メサイアを討伐する!」
目の前にいた部下の頭に何かが刺さりそのまま吹き飛ぶ。
「な、なんだ……何がおきた!」
「デュオ トルメンタ」
声が響くと部下5人がズタズタに引き裂かれ地上に落ちていく。
トゥオネラはメサイアと目が合う。
「ひぃ! お、お前は天使なんかじゃぁ……」
喋り終える前に斧が顎下から振り上げられトゥオネラは生涯を終える。
「むっ メサイアは 天使じゃない 前から」
斧の血を払うメサイアにニサが声をかける。
「メサイア、前よりかなりスピード上がりましたわね。ノーム様の影響ですの?」
メサイアを誉めながら槍についた血を払っている。
周りに天使兵の姿はない。
「むっ ニサも 水の威力と範囲 凄い リエンのおかげ」
ニサは槍を魔方陣に収納すると門の方を睨み気を引き締めるように言う。
「ですわね、さあ行きますわよ。もう少しですの」
「むっ 了解」
***
大剣と盾がぶつかり合う度に建物は破壊され、地面にヒビが入る。
少し離れたところでマズルカとナグアルが話している
「ちぃ、ノースとあいつが魔女化して入る隙がなくなっちまったな」
「だねぇーー、下手に罠仕掛けると邪魔になるしねえ。まっ休憩ってことで良いじゃん!」
「だな、あっちもアイネさんとやらに任せてるからいいだろ」
緑の光と赤い光が残像を残しながらぶつかる。
「やるな! 盾がこんなに戦えるって初めて知って賢くなったぜ!」
ノースが大剣を振るう、盾に遮られるが構わず振り抜く。
カノンは盾ごと吹き飛ばされるが、空中で体制を立て直す。
「ノースさんのお役に立てたようで嬉しいです」
(力では相手の方が上、盾で防ぎ続けるのも厳しいですね。今は残りの2人が大人しくしてくれていますが正直厳しいですね)
いつものように微笑むカノン。
ジジジ……
町の空にノイズのようなものが走る。
ボヤけた像が映りだし、ピントがあったように映像が映り始める。
「あら、ノースさん私たち空に映ってますよ。格好悪いとこ見せられませんね」
微笑むカノンに対しノースは苛立った態度をみせる。
「投影魔法だと! しかもあんな大がかりなやつ。どうせ編集して都合良く写すんだろ。お前らのがよっぽど腹黒いじゃねえか」
「まあ、そうなんですけど。もう1つ役目がありまして、そのお陰で間に合ったようです」
カノンは隠すつもりもないといった態度でそう言うと、上から2人降りてくる。
「お待たせしましたわ、お姉さまって……なんですのその目と羽は?」
「むっ カノンの目 光ってる 綺麗」
ニサとメサイアが合流してすぐにカノンの変化に気づく。
「これが魔女の力を発現させた状態。相手も使うから気を付けて下さい」
カノンは表面上冷静でいるが内心では
(この子達は、今の発言で自分達が魔女の力を使いこなせてないってばれるかもしれないと言う危機感はないのですか。
いずればれるにせよ、少しでも有利な可能性は残すべきでしょうに。
後で頭をグリグリしてやりますか。
でも時間がなかったとは言え魔女の発現を見せておくべきでした。
私の落ち度です。後で自分をグリグリしておきますか……)
「ノース、おれらもやるぜ! 各個撃破で良いな」
「ナグアルは誰にしよっかな」
ハンマーを構えるマズルカと指を加え3人を吟味するナグアル。
「ニサ、メサイア。ノースは大剣、マズルカはハンマー、ナグアルは弓と罠を主に使います。他にも隠し持っている可能性はありますから気をつけて下さい。
相手はこちらを分断するつもりです。お互いフォローは出来ませんが、逆を言えば何も気にせず全力で行けると言うことでもあります」
「フェアデルプ」後ろ側にピストンのようなものがついたハンマーを召喚する。
マズルカがそのハンマーを振り上げ3人めがけ飛んでくる。
カノンたち3人は別方向に飛んで避ける。
マズルカのハンマーが地面にめり込みへこませる。
「ツェアファレン」
ハンマーのピストンが煙を吐き動きだしハンマーを叩くことでもう一度衝撃を与え、周囲に衝撃波を放つ。
衝撃波で地面が剥がれ破片が飛散する。
「さて、だれとあたるかな! いくぜ!」
マズルカはハンマーを肩に担ぎ飛んでいく。
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