パジャマパーティー(開催)
買い物が終わった後、訓練を行う、魔女と天使と魔物。葵の成長もあり実戦形式で行われる訓練に女の子分は全く感じられない。
「くらえ! 爆炎塵華!!」
「なんの! ベアークローからのデスシザース スラッシュ!」
「エ……エんじぇるあろー?」
必殺技名もバッチリに訓練を進める私たちを見ていたニサちゃんが申し訳なさそうに訪ねてくる。
「あの~わたくし見て良いですの? 一応敵なのですけど?」
「うん、良いよ。なんならリハビリがてら加わる?」
「い、いえ、遠慮させていただきますわ」
即答で拒否される。そんなに嫌かな?
「ところで気になってたのですけど、さっきからなに叫んでますの?」
「あれは必殺技名!」
「ニサちゃんも言ってるじゃん! なんだっけ「ぴおって」とか」
「ピオッジャ? あれは武器の魔法発現に必要なんですの」
「ニサちゃんはそのまま続けてくれたら良いから」
「?? よく分かりませんけど、分かりましたわ」
ニサちゃんが可愛らしく首を傾げる。
* * *
夕方、カレーを作り食卓につく。
お嬢様は待ちきれないのかそわそわしている。
「今日はただのカレーではありません!」
「カツがつきます! カツカレーです!ついでにお好みでチーズも用意してるから入れてね」
「あたし入れるぜ! チーズうまいよな」
「カツ……チーズ……をカレーに?」
「美味しいよ! チーズは好みだから試しに端の方に入れて味見してみたら?」
私に進められカツカレーにチーズトッピングをしたニサちゃんが未知との遭遇を前に
やがて小さく拳を握りしめグッと力を込める。
小刻みに震えるスプーンにすくわれたカレーとカツの欠片にチーズの小さな山を震わせる。
その震える山が小さな口の中に飲み込まれる。
…………両目を
ガタッ
ニサちゃんが立ち上がる。
「なっ、なんですの!? このカレーの辛味をまろやかにしつつチーズの濃厚な濃く! それに負けじと主張してくるカツといいこれは……」
「あーーーうるさいニサ! お前も最近おかしいぞ!」
ミカに怒鳴られるがニサちゃんの解説は止まらない。この後しっかりお代わりしていました。
* * *
楽しい夕食も終わり本番がやってくる(私の)
「さーみんな写真撮るよ、舞! 笑う! ほらニサちゃん下向かない! ミカ、死んだふりはやめて!」
パジャマ姿で写真を撮られる3人。
「マイ! お前がパジャマパーティー良いじゃんとか言ったのが悪い!」
「パジャマパーティーって聞いたときパーティーって言うから飲み食いするものかと思ったんだけど……へへっ」
争う2人の横でニサちゃんだけはパジャマを摘まんでうっとりしている。
「パジャマ これ可愛いですわ……」
「ニサ! お前アオイに影響され始めてるな!」
凄く楽しかった私たちは床に布団を敷いて寝る。
楽しい……本当に楽しい。いつまでもこのままなら良いのに。
でもそれは多分ない…………
* * *
「寝れないの?」
「ん? あぁ、まあね」
マンションのベランダで夜風にあたるミカに話しかける。
「ミカ転校してきたときより明るくなったよね」
「そりゃまあ、ギャップというか……慣れない環境に緊張もするよ」
「天使でも?」
「当たり前じゃん、アオイも会ったときより明るくなったよね。ちょっといき過ぎだけど」
「ミカ達に会えたおかげ、ありがとう」
「それはどういたしまして」
………………
「ミカさぁ、舞もだけど」
「私にまだ何か隠してるでしょ?」
「!!??」
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