カレーが美味しいですの!!
台所からトントンと包丁がまな板を叩く音がリズミカルに聞こえる。何かを炒める? 音がして、お肉の焼ける匂い。
ちょっと静かになってしばらくしたら……なんだろう凄い香ばしいようなこれは、食欲を刺激する匂い。
お腹がなる……
ぐ~~
「お腹すいた? ニサ」
近くで本を読んでいたミカがニサの腹の虫の鳴き声に気付き笑いながら聞いてくる。
「いや、これは……その……はいです」
「カレー食べるの初めて? 私たちの国には無いからね。美味しいよ!
こっちの食べ物ってめちゃくちゃ美味しいからね!
私たちの方と言えばジャガイモふかしただけとか……」
テンション上がったと思えばいきなり下がるミカを見てニサが笑う。
「ミカ様もそんな表情するのですね。明るくなりました?」
「ニサ、それ私があっちでは根暗だったみたいに聞こえるよ」
「そうは言ってませんわ、ただずっと思い詰めて何かを考えているような感じを受けましたの」
「予算枠の取り合いとかで胃が痛かったんだって」
「そう言うことにしておきますわ」
「なに、なに? ミカの話?聞かせて」
葵が話に割ってくる。
「いや聞かなくていいよ。アオイはカレー作っててよ」
「もう出来たし、後ご飯炊けるの待つだけ」
「何から話せばよろしいかしら?」
「ニサものらない!」
そうこうしているうち、ご飯は炊けニサの元へカレーが運ばれる。
「熱いから気をつけてね。フーフーする?」
「いえ、遠慮しますわ、自分で食べれますわ」
目をキラキラさせてニサを見る葵に危険を察知しカレーがのったお盆を受けとる。
(……これスプーンですくってお米と食べれば良いですの?
スープ? が何でお米の横に……匂いは香ばしくて食欲をそそり、気になりますけど……)
カレーとお米を一緒にすくい真剣に見つめるニサ……を見つめる葵
(ヤバい! なにこれ!? 可愛い!)
葵の心はニサの未知との遭遇状態にときめく。
ニサはとりあえず、そーとスプーンを口に運びくわえてみる……
!!!!?
「こっこれは……」
止まらない、パクパク食べ始めるニサ。
「おかわりいる?」
葵にそう聞かれ無言で首を縦に振るニサ
葵がうっとりした表情でニサを見つめていたがそれにも気付かず2杯目を食べ始める。
「カレー美味しいですわ!!!」
ニサは心の中で叫ぶ!
お嬢様の好物がカレーになった瞬間だった。
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