46話
時間制限付き結界に閉じ込めた僕は、移動しながら傷薬や毒消しの材料となる薬草や毒草を採取しながらも足早と移動していた。
そうして、途中ヴァルに乗せてもらいながらも移動し3時間程で森を抜けた。
移動しながらの採取だったにもかかわらず、僕のバッグの中身は そこそこ一杯になっていた。
何でそこそこなのかって? バッグの中身を表示してみたら、素材の閲覧表がでて 何種類あって個数分けされてたから。このバッグ、僕に不要かと思ったけど意外と必要だったことに感謝だよね。
「ヴァル、この道をまっすぐ移動したら どこに辿り着くの?」
『この道は、途中で三叉路になっている。左を進めばウトカに行き、真ん中を進めばブルードに行く。そして、右に進めばチェリミへ繋がっている』
ウトカ? ブルード? 何それ。
少し詳しく聞いておいた方が何かといいかもしれない・・・。
「ヴァル、質問してもいい?」
『どうしたのだ』
「その、ウトカとブルードってどんなところなの? 」
『ウトカは、先住民が住む閉鎖された街のことだ。神獣姿でアオイを乗せて行けば入れるとは思うが、我から降りた直後に攫われる可能性がある』
「うぇ。ヴァルから離れたら攫われるって何でさ!? 」
『先住民が崇めているのが我なのだ。そして、我に跨り乗れる者は神の御子として その土地に留まり祈りを捧げ続けることで豊穣にもなり災害などからも守護されるとされている』
何それ・・・。僕、絶対 近寄りたくない・・・。
「ウトカは却下! 僕、そんなのに利用される第二の人生歩みたくないからね!? 」
『我もそのような時間は過ごしたくはないぞ』
「ブルードは、どんなところなの?」
『ブルードは、元は蛮族が住み暮らす場所であった。戦力に加えるなら可能だが、我と一緒に行動していては悪用されかねない。利益を好む者達が集まってるゆえ、我の能力やアオイのスキルは有効活用されるだろう。だが、多くを望む傾向がある』
「蛮族・・・。野蛮な人が多いってことだよね・・・。今の僕の外見で、その街に行ったら どうなるの? 」
『間違いなく襲われるだろうな』
「僕、男なんだけど!? 」
『元が元だからな。アオイのように見目麗しければ、一生食い物にされかねないだろう』
それを聞いた僕は、両手で自分の体を抱きしめてブルブルッと震えた。
どっちの街もダメじゃん!
一応、最後に残るチェリミの説明を詳しく聞いてから移動しようっと・・・
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