44話

 それよりも、魔術を教えてもらわないと僕も戦力上げたい!


 何かを期待するようにヴァルを見つめていると、察したのか諦めて獣人化したヴァルが手を翳した。

 不思議に首を傾げていると振り向いたヴァルが僕の手に重ね「何か感じることはないか? 」と言ってきた。


「何も感じないよ。これ、何か意味があるの? 」


『魔術も魔法も初歩的なことを行うのだが、これが感じられないのであれば アオイが魔術を学ぶのは難しいかもしれないのだ』



 意味が分からないな。どういうこと?

 僕のステータスをヴァルにだけ開示したら原因が分かるのかな?



「ねぇ、ヴァル。僕のステータスをヴァルにだけ見せるのって、どうやればいいの? 」


『普通に念じるだけでよい。開示せずとも、我と契約を交わしたから見れるぞ』


「契約って、いろいろと便利機能ついてるんだね」



 それじゃ、さっそく見てもらおうかな。



『卯月碧䒾(転生者・死に場所を探し求める者)

 

 男(※双成)

 

 6龍神に愛されし者・神々に愛されし者(クレアツィオーネの加護)

 

 スキル:同化Lv7.6・(New)威嚇Lv2・(New)七変化∞・隠密Lv6・隠蔽Lv7・気配察知Lv5・(New)テイム∞・(New)調教師Lv4・想口紡変換Lv10・胃腸強化・俊足Lv7.8

 脱兎Lv10.5・痛覚無効・毒無効・麻痺無効・(New)水操作∞・(New)融合∞・言語・異世界知識・薬草採集・毒草採集・浄化Lv4

 回復Lv3.6・装飾Lv1・転写Lv8・沙芽Lv10・解呪(解除)Lv3(30/100)・即死魔法(自分には使えない)Lv20』



「どう? 何か原因分かるかな? 」


『アオイのステータスを見て、決定的に足りないものがある』


「決定的に欠けているものって、何? 」


『それは、マジックポイントというものだ』


「それって、ゲームであるようなMPってやつだよね。僕のステータスにはHPもMPも表記されてないね・・・」



 これは、もしかしなくても冒険者とかなれないポンコツということでは・・・


 確かに、旅に必要な採集メインのスキルにしてもらったけど まさかココで魔術を扱う人? 獣? に逢うとは思わなかったから必要ないものだって言いきっちゃってたんだよね。


 はぁ、こんなことなら魔法スキルとかも頼んでおけばよかった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る