41話

 僕のステータスは、最初から神に愛された証拠がスキルで確認出来ていた。だけど、僕の旅の目的に合わせたスキルではないことから『愛されてる』なんて思えるわけもない。


 それでも、今は・・・。目の前の精霊バカを何とかするのが先決。



『お前のような人間が神に愛されてるなど冒涜するのもいい加減にしろ!神々に愛されてる存在はアベリー、ただ一人のみだ!! 卑しい人間が語るな!! 』



 気に入らなければ排除する。そうすれば問題も解決すると思い違いしてる精霊に対して、僕は喧しい口を見つめ強く念じた。

 妖精相手にしたスキルを犬型の今の姿で『わん!』と一啼きした。


 さらに、水風船を思い浮かべ精霊の周りだけを囲むように頭の中で紡ぐと シュルンと閉じ込めた。

 これなら、僕が人間に戻っても風船は壊れず落ち着いて温・・・じゃなかった。

 泉を堪能できると一人納得して頷く。



『アオイよ』


「何? ヴァル」


『これは、いつまでもつのだ? 』


「いつまでって、僕の気が済むまでかな」


『・・・・・・』


「どうしたの? ヴァルもアレに入ってみたい? 」


『我は遠慮しておくとしよう。それよりも、先程 気になることを話していたな』


「ん? 気になる話って、どれのこと? 」


『アオイのスキルに面白いのがあり融合させたと言っていただろう』


「あ~、うん。話すのは、泉堪能してからでもいい? 」


『それは構わぬ』



 ふんふんふ~ん♪ と、鼻歌交じりに口ずさみ やっと静かになった泉に浸かりながらヴァルの体毛を撫でる。

 だって、癒し最高のもふもふだよ。それに不思議なことだけど、ヴァルの毛は泉に浸かっていても乾いてる時と変わらずふっさふさのもふもふ。


 どういう仕組みなんだろう?


 数十分の2度入りで堪能した僕は、服もろともヴァルの風下位魔術生活魔法で綺麗サッパリ乾かしてもらいました。便利だなぁ。


 僕のスキルって、身を護る最低限のと樹々や花に有効に働くものが大半なんだよね。

 もしかして、わざとしてる・・・とか?


 それよりも、ヴァルに説明しないとダメだよね。堪能してからって言っちゃったんだし。

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