12話

 厨二病な鳥と別れて歩き進めてどのくらい経っただろう。

 森を出た雫が目にしたのは、一部を除いて荒れ果てた町?村?

 どっちかと聞かれたら首を捻ってしまうほど荒れて放置された土地。



「何これ。森に戻りたい気持ちが既にでてきてるんだけど・・・」



 見渡す限り暗い色した紫色の土地・・・

 これ、絶対ダメなやつだよね。状態以上受けるような色だよね・・・?

 こんなところで追い掛け回されたりしないよね??


 人はこれを『フラグ』という。


 う~ん。僕のスキルで何とかなるのあったっけ?

 あ!毒無効持ってたじゃん!

 土地の色のインパクトが強烈過ぎて忘れてた。



「あまり踏み込みたくないけど、死に場所探して旅をしてる僕がこんなとこで尻込みしてる場合じゃないよね」



 誰に言ってるのか分からないけど一人だから声に出してしまうのは仕方ないよね。

 うん、仕方ないということにしとこう!



「おや?このようなところで人に逢うとは思いませんでしたね」


「・・・・・・(ウソでしょ!兎に角一言だけ言って移動しなきゃ!!)」


「どうかなさいましたか?」


「いえ、大丈夫です!それじゃ失礼します!!」


「あっ、ちょっと・・・」



 背後から声がしたけど知らない!

 スキルのおかげで毒々しい土地でも平気で走り抜けられる。

 森で追いかけられて、ココでも捉まるなんて冗談じゃない。



「ここは悪魔の森と呼ばれてるところだと告げようとしたのですが残念ですねぇ」



 そんなことを呟かれてるとは知らず、兎に角逃げる雫。

 他人と慣れ合うなんて冗談じゃない。

 黙々と突き進んで行って漸く異変に気がついた。


 何か、異常に暗くない?

 ココも森だよね。何でこんなに薄暗いの??


 どんよりしていてジメジメした空気と、ねっとりと肌にへばりつくような気持ち悪い生暖かい風。

 ほんとに、ココ何・・・


 こんな時は与えてもらった知識で調べるもんね。

 ん~、なになに・・・



『悪魔の森:人間によって作り出された腐敗物を廃棄され続けたことにより至る所に猛毒を吐く植物が増えた。地面の紫色はアコニチン系アルカロイドのアコニチンやメサコニチンと様々な猛毒が広がっている』


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