第26話 ダンテVS梔子2

 建物の四階分程の高さを落ちた後に俺は地に足をつけた。

「……」

 そしてそれは同じく重力に引かれて落下していた金髪とその支配下にある梔子も例外ではない。

 落下の衝撃を魔術で和らげながら安全に金髪と梔子は着地する。

(仕掛け時だ)

 そしてその瞬間に生じる僅かな隙。それこそが俺の狙いだった。

(魔術の才能がないのもたまには役に立つな)

 付与魔術以外を使用できない俺は、そもそも衝撃を和らげるつもりなど毛頭なかった。

 最初から直に着地し、そのまま動き始めるつもりであった。

 無論、高さが高さなので言葉で言う程簡単ではなく、相応にリスクがある。

 その証拠に直に着地した瞬間に右足に激痛が走る。

(この痛み、右足に罅が入ったか)

 行使する右足から発生する激痛と過去の経験から自分の負傷を認識しながらも、俺は構わずに駆け出した。

 当然痛みは更に酷くなるが、構わない。

 それだけの事だ。

 千載一遇の勝機を逃す理由にはならない。

「……」

 俺とは違い、衝撃を魔術で和らげ安全に落下した梔子が、その手にある魔銃の銃口をこちらに向けた。

「遅い」

 だが次の瞬間に発射された弾丸を、俺は容易く躱した。

「……」

 銃弾を避けた俺に対して、魔銃の連射で対抗してようとする梔子であったが、それも酷く

「まあ、そうなるよな」

 梔子に接近するついでに弾丸を回避しながら、俺は梔子を観察する。

(狙い通りだ)

 今の梔子の動きは明らかに精彩さが駆けている。

 あれほど精密であった射撃は尾を潜め、銃弾は無駄に消費されているだけだ。

 その不調は、金髪の個有魔術による影響によるものではない。

 むしろ精神支配を受けているからこそ、ただの不調程度で済んでいるのだ。

(無理もない。こんな場所ではな)

 精神を支配されている状態とはいえ、五感まで死んでいるわけではない。

 オートで動く機械のような状態でも、敵を捉え認識する為のセンサーである五感がなくては、戦えない。だからこそ、多くの精神支配は意識だけを奪い、五感はそのままにするのがほとんどだ。

 故に俺はそこを狙った。

 人は脆い。不快な音を延々と聞かされてるだけで、体調に変調をきたすケースだってある。一般的的に語られる知識よりも、人間の五感が精神に与える影響の大きさを過去の経験上俺は知っている。

 そしてこの地下の環境は地獄の一言に尽きる。

 まず視覚は最悪だ。光源は破壊された食堂から漏れる光のみ。

 昔の仕事柄、こういう暗闇に慣れている俺に影響はないが、真っ当な模擬戦闘しか経験のないであろう梔子はまともに俺を目視する事は難しいだろう。

 そして何より辛いのは、嗅覚だ。

 これは俺でさえ少しきつい。

 地下に充満する臭気は悪臭を通り越して、暴力であった。

 鼻をつまんだとしても、目から入り込んでくる凄まじい臭気はこの場にいる人間の精神を、否応なく削っていく。

(慣れているとはいえ、何度かいでも好きにはなれないな。の匂いは)

 この地下室には死が充満している。

 梔子の目には見えないだろうが、夜目がきく俺ははっきりと捉えていた。

 闇の中にある『それら』の存在を。

(……まさか、まだとはな)

 その事だけは俺も予想外であった。

 てっきりとっくの昔に朽ち果てていたと思ってたが、ここから見る限り、まだ生命活動は停止していないように見える。

(最悪だが、今は使えるな)

 殺人を無意識に忌避していた梔子が死体や内蔵などと同様の悪臭を放つ『それら』の臭気に平静でいられるわけがない。

(仕事が1つ増えたか)

 この件が終われば、俺が直々に『それら』を始末しなければならない

(だが今は梔子だ)

 今こそが最初で最後の勝機。

 後数歩で梔子に届く距離まで詰められる。

「……」

 梔子の最後の抵抗か、右手の魔銃の銃口が俺に向けられる。

 だがそれも既に想定済みだ。

「エンチャント・サイドブースト」

 足元に施した付与魔術を発動する。

 横への緊急移動用の付与魔術だ。一瞬とはいえ、急加速が可能となる。

「!」

 梔子から見て右側にいた俺は左側に急加速移動をした。

 当然の事だが、負傷していた足は更に悪化し、俺の動きを僅かに鈍らせるが問題ない。

 どの道、短期決戦以外で俺に勝ち目はないのだから。

「……」

 梔子が右手を動かそうとするが、遅い。

 既にここは俺の距離。俺が梔子に触れる方が速――



「顕現」



 梔子の呟き。

 それが聞こえたと共に、彼女の左手にが起きる。

「な!?」

 一瞬揺らぎのようなものが空間に見えたかと思うと、その手には二丁めの魔銃が現れていた。

(形成の系統魔術か?)

 いや、それにしては明らかに発動が早すぎる。

 発動に自己のみならず、大気中や対象物といった外部の魔力を使用する系統魔術にはどうしても発動に多少の時間が掛かる。

 ここまでの戦闘で俺は梔子の系統魔術の発動時間におおよその当たりを着けていたが、その予想よりも明らかに速い。

 ならば導き出される答えはただ一つ。

 外部の魔力を一切使わず、己の魔力のみで発動するが故に、系統魔術よりも迅速に発動が可能で特殊な魔術――



「個有魔術か!」



「……」

 操られている梔子から返事はない。

 かわりに右手とまったく同じ魔銃を左手に出現させた彼女はその銃口を俺の額に定めると、

「……」

 無言で引き金を引いた。



「ちぃ!」



 引かれる瞬間、俺は全ての攻撃を捨て、後方にバク転じみた回避行動を取った。

 それが功を為し、俺のいた空間を、弾丸が通り抜けていく。

「……」

 だがまだだ。梔子は空中で無防備な俺に対して、右手の魔銃の銃口を向けて、発砲した。

「つっ!」

 空中で身体をひねることで急所だけは何とか避けるが、代わりに脇腹を弾丸が貫通した。

(……やられたな)

 地面に着地を取りながら、俺は僅かばかり距離を取る。

 相手にとってはまたとない好機であったが、梔子は無理に追撃をしようとはせず、虚ろな瞳で俺の行動を見ていた。

「よく躱したな魔女の弟子よ。正直、今のを避けられるとは思っていなかったぞ」

 憎たらしい程に余裕を感じさせる金髪の声に舌打ちをする。

「まさか梔子が個有魔術を使えるとはな」

 優秀だとは思っていたが、まさかこれ程とは。

 月刊ファウストとかいう雑誌に書いてあった『黒咲家の若き天才』という肩書もあながち間違っていない。

 個有魔術はそれほどまでにレアで特殊な魔術なのだから。

「どうかな魔女の弟子よ? 最愛の妹の個有魔術を食らった感想は?」

「正直羨ましいの一言に尽きるな」

 嘘偽りない正直な感想を口にしてやる。

「使い勝手が良すぎる。個有魔術なんて、喉から手が出る程欲しい魔術だ」

「……ほう。もう見抜いたか?」

 意外そうな金髪に、俺は肩をすくめる。

「当たり前だろう。俺を誰だと思っている?」

 一回直に見て個有魔術の殆どを見切れなければ、魔女の宿敵兼弟子などやっていられない。

「自慢ではないが、個有魔術でボコられた経験なら誰よりも豊富だぞ……俺は」

 何しろ世界で二人しかいない個有魔術を複数持つ魔術師の一人に、毎日しごかれてるからな。

「本当に自慢ではないな……では、その経験豊富な君の推理を聞こうか?」

 正直、いけ好かない男である金髪と会話をするなどごめん被るが、脇腹の傷が思ったよりも酷い。

 この悪化した状況を打開する策を考えるためにも、時間を稼ぎは必要だった。

「……梔子の左手に出現した魔銃は右手の魔銃と同じだ。傷一つに入るまで完全にな」

 それが最初のヒント。

 いくらイメージした物を魔力を媒体として作り出す系統魔術とそれと同じ特性を持つ個有魔術でも全く同じ物が生まれる事はまずありえない。

「そして何よりおかしいのは、俺が不意打ちの一発目の弾丸を避けた後の攻撃だ。梔子は左の銃で一発撃っただけで、二発目を撃とうとはせずに、空中の俺に対して右の魔銃を使った。あの場では左の魔銃で撃った方が圧倒的に速いにも関わらずにだ」

 もし左の銃で連射されていれば、俺もこの程度では済まなかっただろう。

「そしてその後の追撃もなかった」

 誰の目から見ても、あの場では追撃が有効であるはずなのにだ。

「そうなると、答えは1つ。梔子は撃たなかったんじゃない。

 

「成程。いささか強引な推理だが、正解だ。探偵でもやったらどうだ? 意外と、天職かもしれないぞ?」

「……」

 実はもうやった事があるとは言えない。

 いや、正しくはやらされただが。



『ダン。探偵って見た目は子供で中身は大人になったり、じっちゃんの名をかけたり、二人で一人の仮面なライダーになったりして面白いそうよ。私達もやりましょう!』



(あれはきつかったなぁ。適当にアトの奴が持ってきた危険のないはずの依頼が全部世界滅亡レベルの大事件になったからな……)

 迷子の猫探しのはずが、失われた呪いの黄金を破壊する事件になったり。

 浮気調査をしていたはずが、世界征服を企むマッドサイエンティストと戦う羽目になったりと……

「……真実ってろくでもない事でも、1つしかないんだよな」

「? 突然小声で何を言っている?」

「……なんでもない」

 軽く咳ばらいをし、気持ちを切り替える。 

「梔子の個有魔術を温存していたのは、初見で俺を殺すつもりだったようだが、失敗したな金髪」

 脇腹を手で押さえ、出血を抑えながらも、俺は笑みを作る。

「言っておくが、俺に同じ手は通用しない。次は確実に勝たせてもらう」

「ほう? では、こういうのはどうかな?」

 金髪がそう言うと、梔子は左手の銃を投げ捨てる。

 梔子の手から離れた魔銃は数秒も経たない後に、粒子となって消えた。

「顕現」

 右手の銃に新たなマガジンを交換した梔子は、再びその左手に魔銃を複製する。

「倍の手数で君を追い詰める雑な戦法だが、負傷した今の君には有効だろう?」

「……お前、いい性格してるな」

 両手の銃を構える梔子と、それを実行させた金髪に俺は心中で溜め息を吐いた。

(さて、どうしたものか)

 実の所、殺すだけなら簡単なのだ。

 いくら梔子が魔術使として優秀でも、所詮戦闘は素人。命の取り合いの経験がない彼女を罠に嵌め、抹殺するのは容易い。

 だがそれは駄目だ。それだけは駄目だ。

 今回の俺の『勝利』は梔子の抹殺ではない。

 それはただの『敗北』だ。

「1つ忠告をしてもいいかな魔女の弟子よ?」

「……なんだ?」

「いや、おそらく私が仕掛けた魔術紋を解除しようとしているのだろうから、それは無意味だよ」

「……」

 流石に見抜かれているか。

「下手に解除しようとすれば、黒咲 梔子は自害する。そうなるように支配している……まあもっとも、君にはそもそも解除する手段がないだろうがね」

 ご名答だ。付与魔術と人を殺す事しか芸のない俺は、梔子を助ける手段がない

「だがそんな君に朗報だ。黒咲 梔子を助ける方法が1つだけ存在する」

「なんだ?」

 わざわざ言う程だ。ろくでもない方法に決まっているだろうが、

「簡単だよ。目には目を。歯には歯を個有魔術には個有魔術で対抗すればいい」

「……貴様」

 はなから狙いはそれか。

「梔子を使って、俺の個有魔術を調べるのがお前の目的だったのか」

 思えば最初から妙であった。個有魔術を発動した後も、金髪はこの場から立ち去ろうとはしなかった。空間転移で何時でもこの場から消えることだって出来たにも関わらずにだ。

 梔子を支配した個有魔術の継続発動の条件として近くにいる必要があるのかと思っていたが、答えはもっと単純であった。

 こいつは見たいのだ。俺が個有魔術を使うのを。そしてそれによって梔子の身にどんな影響が起きるのかを。

 直に観察して研究したいのだ。

「その通りだ。神父にとどめをさした君の個有魔術ははっきり言って未知数――だからどうしても知りたいのだよ」

「……」

 熱がこもった言葉。本心からの熱意ある金髪の言葉に反吐が出る。

「君の個有魔術の本質を。おそらくそこに魔女を打倒できた理由があるはずだ」

「故に言っておこう」と金髪はやけに真剣な声で言う。



「……私の個有魔術を君の個有魔術で塗り潰すしか梔子を救う道はない」



「……」

 本当に性格が悪い。

 こいつは俺が個有魔術を使っている所を一度見ている。

 俺が個有魔術で神父の命を奪っている所を……だ。

 ここまで綿密で周到な準備と大胆な行動を起こした男だ。

 俺の個有魔術が他者の命を簡単に奪う事が出来る危険なものである事は分かるはずだ。

 分かっていて言っているのだ。

 梔子に個有魔術を使えと。

「ああ、でも一つ梔子を救う方法がある」

「なんだ?」

「簡単な方法だよ。君が死ねばいい」

 ひどく楽しそうに喋るのは、確信を持っているからだろう。

 自分の言っている事方法が、決して実行不可能だという事を。

 分かっていて俺を追い詰めているのだ。

「私の個有魔術は条件付きでね。今回は君を殺す事を梔子の使命と認識させた。それを果たすまでは、彼女は止まらないよ」

 深紅の魔術紋が真っ赤に輝く。



「さあ、選びたまえよ。選択肢は二つ。のか、のか、どちらでも私は構わないよ。くくく、ふはははははははは!!!!」



 高笑いする金髪の男。



 本当に性格が悪い。

 黒咲の現役時代でもここまで腹黒い奴は、片手に数えるぐらいしかお目にかかれなれなかった。

 だから言わせてもらおうか。

 腹の底から、心を込めて。




「礼を言わせてもらうぞ金髪」




「……は?」



 嘘偽りのない心からの礼を述べた俺に、金髪高笑いが止んだ。

「話を聞いていなかったのかな?」

「ちゃんと聞いていたさ。俺が死ねばいいんだな?」

 実に簡単な事だ。

「方法はいたってシンプルで、尚且つ梔子の身体にかかる負担がない。迷う要素は皆無だな」

「ひょっとして君はどうにもならない現状の腹いせに、私を馬鹿にしているのかな?」

 言葉にやや怒りを交えながら絞り出すような声を出す金髪に俺は肩をすくめた。

「いいや。むしろ馬鹿にしているのはお前だろう金髪」

「なんだと?」

「自覚がないようだから言っておくが、お前は俺を侮っている」

 俺の実力を測る為と言いながら、こいつは俺を見下している。

 だからぺらぺらと余計な事を喋るし、無駄に時間をかける。



「そしてうちの魔女のストーカーっぷりをな」



「なんだと?」



「まったくもってその通りね」

「!?」

 声と共に虚空から魔女は現れた。

「あらあら。地獄を作るのは私の専売特許のつもりだったけど、ここもそれなりの地獄が出来上がってるわね」

 空間転移をしてきたアトは辺りを見回し、この地獄の全てを当然のように認識すると、溜息交じりに俺を見た。

「特にダン。あなたには色々辛いでしょう?」

「問題ない」

 問いに対して俺は用意していた答えを口にした。

「くふふ。強がらなくていいのよ? 辛い時は私に甘えなさいな」

 当然、魔女には俺の強がりなどお見通しで砂糖菓子のように甘く蠱惑的な視線で、俺を誘惑してくる。

「うるさい黙れ」

「つれないわね……私とあなたの仲なのに」

 お前と俺の仲だから強がるんだよ――馬鹿野郎が。

「ベアトリーチェ・アーリー!」

「あら。ダンが可愛すぎて思わず忘れてたわ。えーと、パッキン太郎君でよかったかしら?」

「一ミリもあってないぞ馬鹿魔女」

 俺が可愛いとか抜かした所は特にな。

「……何故ここにいる? 空間転移の痕跡は残していなかったはずだ」

「くふふ。そんな事も分からないのかしら? 」

 狼狽している所を見ると、金髪にとってアトの登場は予想外だったようだな。

 その時点で、やはりこいつも魔女の事を知らなさすぎるただのにわかだ。

「ダンに言われたでしょう? あなた、私の事も舐めすぎよ」

 横髪を耳にかけながら、アトは渾身のドヤ顔を浮かべ言った。




「私程のダンガチ勢になれば、何となくでダンの正確な位置が分かり、何となくでダンの傍まで空間転移出来てしまうのよ!」



 他人が普通にドン引きする事を。

「……」

 事実、金髪も唖然とした顔で固まっている。

「くふふ。見なさいなダン。今日も名言を生み出してしまったわ」

「ソウデスネ」

 名言ではなく、迷言だが。

「それにしても、ナッシーが中々楽しい事になっているわねダン」

「分かるかアト」

「ええ」

 アトは金髪の男と、梔子、そしてその胸元の魔術紋を見ると、



「エロ同人展開ね。私じゃないと見逃しちゃうわね」



「まったく分かってないなお前!」

 どこをどう見たら、そう見える!?

「え、だってナッシー洗脳されてるんでしょう? しかも胸元に刻まれてるあれって大きいお友達が大好きな淫紋って奴でしょう? どう考えたって薄い本案件じゃない!!」

「もう分かった。お前は黙っていてくれ。頼むから」

 割と真剣に頼み込む。

 こいつに突っ込みを入れてると、脇腹の穴から血が無駄に出て来る。

 現れてから僅か数分のやり取りでこれだ。

 このまま続けば、戦いの決着をつける前に倒れかねん。

「……それで、あれの解除の仕方は分かったのダン?」

 ボケから急に真面目になるから、始末に終えない。

 これは答えないわけにはいかない。

「あの金髪が言うには、俺が死ねばいいらしい」

「あらあら。それは大変ね」

 話を聞いたアトの反応はそれだけであった。

 驚きすらしない彼女に俺は笑いそうになる。

(流石は俺の宿敵兼師と言った所か)

 この場で唯一俺の事をよく理解している。

「それでどうだ? あの金髪の言っている事は正しいか?」

「ええ。あの魔術紋を見る限り、何かしらの目的を設定する事によって発動する個有魔術ね。状況を見る限り、あなたの死が設定されている可能性は高いわ」

「そうか。それを聞いて安心した」

 魔女の言質が取れたのだ。

 これで心置きなく、死ぬ事が出来る。

「ダン」

「なんだ?」

 いつものようにアトは



「この最悪の状況を、逆襲してみせなさいな」



 どこまでも挑発的で期待と信頼の籠った視線に、俺もまたいつも通り頷く。

「言われるまでもない」

 元より俺の目指すものはただ一つ――




「勝つのは俺だ」




 勝利。ただそれだけだ。

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