第10話 遊びにきたぜ
リビングのソファで横になり、虹夜が最近ハマっているライトノベル小説を読んでると、『ピンポーン』とチャイムが鳴った。
「グハハハ!! 約束の修復作業が終わった! つう訳で遊びに来たぜ!」
ビルファが報復として燃やした制服や教科書などが入っていた鞄を元に戻すのを終え、虹夜宅に遊びにきた。
「やあ、ビルファ。いらっしゃい」
「あぁ!! そんじゃあ、お邪魔しまぁす!」
ビルファは柄ではない言葉ではあるが、友達の家に招かれた時は、さすがに敬語で一言告げる常識はある。
「こんな汚い家でごめんね……いつも遊びに来てくれて嬉しいよ!」
「家庭の数だけ常識っつぅもんがあっからよ! 全然気にしてねぇぜ!」
[本当は、めっちゃ気になるし、こいつん家を掃除していいならしてぇけど、あんまり虹夜のトラウトを刺激したくねぇからな……]
友達を守る為に悪魔である彼は本音を閉まっておく。
2人は、1階のリビングに入って目の前にテレビが置いてある汚物で汚れたソファに座る。
「ソファ汚れててごめんね」
「安心しろ! なんとも思わねぇからよ! そのラノベ最新刊か! 俺も近々買おうと思ってたぜ!」
[本当は、座るのは抵抗あるが、虹夜に負担は掛けたくねぇからな」
今はまだ触れる訳にはいかないので、彼は、さっきまで虹夜が読んでいたラノベ小説の話題に話を逸らす。
虹夜とビルファは、ラノベの話をしたり、虹夜の所持している格闘系の対戦用テレビゲームをしたりして過ごした。
ビルファは、彼とゲームをしながら、悪魔が使える人の心を読む力で、虹夜の心がプラスの状態が高くなっていることを確認すると、虹夜にある話しを切り出す。
「そういえぁ虹夜、俺が燃やしたあいつらの物を修復する契約をする時、全員の心の中を覗いたんだが、今朝の光野郎がお前に破れて気絶したことで学校に遅刻したことを、心配したあいつの仲間共に、伝えたのが、今回の原因だ!」
「天心くん、学校で人気者だからね。やっぱりそうなっちゃうか」
「多分、今日の出来事を考えると、明日は学校に行かねぇ方がいい! ただ、お前の両親との約束があるだろ? だから、不登校になる訳にもいかねぇ」
「うんそうだね……」
「だから、今からあの光野郎ん家に乗り込むぞ!」
ビルファは虹夜にこの状況を解決するための提案をする。
「え!? それは不法侵入にならないかな!?」
「犯罪っつっても、あの光野郎の部屋に直接行けば、バレねぇ! 犯罪はものにもよるがバレなければ、犯罪にならねぇぜ!」
「そ、それは良くないような……」
ビルファの悪魔らしい持論に、虹夜は戸惑う。
「いいや! ダメだ! 今から行くぞ!」
ビルファは、虹夜を宙に浮かべ、服や体についた匂いや汚れを、魔法で取り除き、空間移動のゲートを開き、2人はその中へ入って行った。
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