第5話 友人悪魔の現在望むこと

 あっという間に虹夜は自信が通う中学校の門まで到着して、遅刻せずに間に合った。


「あっやっぱり先にいたか」


 先ほどビルファは公園にいたが虹夜よりも先に学校の門まで彼がいたので声をかけた。


 ちなみに、彼の姿は契約紋章がある虹夜以外に見えていない。


「グハハッ! お前が心配だからなぁ。移動魔法で先に来たって訳だ。いつも通り見守らせてもらうぜ」


 ビルファは親指を立てる。彼は、虹夜がまた変な輩にいじめられてた時の為にいつも通りスタンバイすることを告げる。


「ビルファ、いつもありがとう」


 友達が心配してくれることに彼は礼を言う。


「お前がちゃんと自分から、友達に助けを求めるようになれば良いんだがな……まぁ、お前が人に頼れるようになるまでは、俺がついてるからな!」


 虹夜は、自分で何もかも溜め込んでしまう。友達にも自分が酷い目にあっても何も言わないので、大体彼の友達が発見して助けるような感じだ。


 ビルファやもう1人の友達も虹夜が助けを求めないことを心配している。


「ごめんね……俺が情けないばっかりに、毎日学校に来てくれて……俺がもっと強くなってビルファが学校に来なくても良くなるように頑張るから!」


 虹夜は、心配してくれる友達の為にも強くなりたいと告げる。


「違ぇよ、お前が俺にちゃんと頼るようになれば良いんだよ!」


「でも、友達に何でも頼るのってそれって友達じゃなくて手下みたいだか……」


「だから、困った時は頼っても良いのが友達ってんだろ!!」


 虹夜は、溜め込む上に頑固だ。一度決めたことはそう簡単に曲げない。一応、彼を99.9%くらいの確率で説得する言葉がある。ただ、彼にとって一番辛い過去に関するとこなので、ビルファも極力使わないようにしている。


「ごめんビルファ……でも俺は……」


 彼は申し訳なさそうにビルファに謝る。


「分かった分かった。この問題は、後々どうにかするにして……まぁ俺が見張ってっからお前は、学校生活を楽しんでくれよ。それが俺の望みだ」


 ビルファは、彼に優しく伝える。


「うん、ありがとうビルファ」


 虹夜も粗暴な彼が自分の為に行動してもらい、申し訳なさと感謝の気持ちが混ざる。


「っていうか後5分しかねぇ! 早く教室に行くぞ!!」


「あっやば、ありがとビルファ! 急がなきゃ!!」


 光属性になって移動すれば1分も有れば教室に着くことができるが校内で使うとなるとまだ彼は、瞬時に生徒や先生を避けれる訳では無いので使えない。


 また、学校へ来た時と同じように宙に浮いてそのまま教室に入ると目立ってしまい、目立つと色々面倒なので光属性になるのはやめることにした。


 そのため虹夜は、走って教室へ向かって行き、ビルファは、その後を浮きながら後をついて行った。

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