セブンティーン
私の名前は、
高校2年生。
もうすぐ17歳になる。
セブンティーンーーーーーーー。
って、なんか響きがいいよね。
それに、なんだか特別……っていうカンジがしない?
なにかステキなことが起こりそうな……。
そんな予感がするの。
だけど。
特別に感じるそんなセブンティーンでも、私の場合だと話は別。
私には。
ステキなことなんて、なにも起こらない。
私、パッとしない子なんだ。
背は低いし、スタイルだって太ってはいないけどいいってわけでもないし。
顔も際立ったチャームポイントがあるわけでもなく、髪の毛もいつも変わり映えしないおさげ。
なにより、口下手なのがいちばんの欠点。
本当は、もっといろいろやってみたかったり、言ってみたかったりするんだけど。
いざ人前に立つと、緊張しちゃったり、なんか口ごもっちゃったりして……。
言いたいことも言えなくなっちゃうんだ。
行動もトロいし。
よく失敗もするし。
どちらかというと、クラスでも目立たない地味なタイプ。
でも。
今、私といちばん仲のいい友達の早紀ちゃんは、私とはまるで正反対の性格なの。
すっごく明るくて、しっかり者で。
クラスでも目立つタイプなんだ。
背も高くてスタイルもいいし、ワンレンの髪もすごく似合ってて。
とにかくカッコイイんだ。
そんな早紀ちゃんと、どうして友達になれたのって?
そうなの。
どうして私みたいな子が早紀ちゃんと仲良くなれたのか。
私自身もいまだに不思議に思ってるんだ。
そもそも。
早紀ちゃんみたいな明るくてしっかり者なら、早紀ちゃんに似たタイプの友達がすぐできるし、いっぱいいるハズなのに。
もちろん、早紀ちゃんはみんなと仲良しだよ。
それでも、いつも一緒にいるのは私なの。
2年生になってクラス替えをして、すぐに声をかけてきてくれたんだ。
たまたま席が後ろだったせいもあるんだけど、それでも、私はすごく嬉しかったんだ。
早紀ちゃんは、すぐに私のことを〝かおり〟って呼んでくれたの。
そんな気さくな早紀ちゃんだったから、私もとっても話しやすくて。
毎日いっぱいおしゃべりするようになって。
気がついたら、私と早紀ちゃんはすごく仲良くなってたの。
こんなに全然違う2人だけど、意外にもなんだかすごく気が合うんだ。
早紀ちゃんに言わせると、私とは目が合った瞬間に、なにかビビッと感じるものがあったんだって。
なんか嬉しいよね。
そんな早紀ちゃんは、私よりちょっと遅い誕生日で、再来月17歳になるんだ。
きっと。
早紀ちゃんには、ステキな出来事とか待ってるんだろうな。
今は彼氏とかいないけど、早紀ちゃんかなりモテるから。
きっと……すごくステキな恋とか、待ってるんだろうなぁ……。
うらやましい。
私なんて、告白なんてされたこともしたこともない。
されるなんて、絶対ないってカンジだけど。
これまでも、そこそこ好きになった人とかはいたけど。
結局、なにもしないまま失恋して終わっちゃうんだよね。
いつも、遠くから見ているだけーーーーー。
今は好きな人とかいないけど。
この先すごく好きな人ができたとしても、また片想いのまま終わるのが目に見えてるもの。
はぁーーー……。
もうすぐやってくる、私のセブンティーン。
やっぱり、私はいつでも脇役なのかな。
いつまでたっても、ヒロインにはなれないのかな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます