文字蟲ドール

愛創造

文字蟲ドール

 掘る。掘り進む。掘り続けても言の葉の意味は呑み込めない。その蠕動が向かう先は何処でも無く、貴様は一切を解けないのだろう。名状し難い。筆舌に尽くし難い。病的かつ冒涜的な禍々しい……それが美しく思えて仕方がなく、貴様は唯の蛆なのだ。蟲は土の中から這い出ずに、蝉の抜け殻を羨ましいと嗤うのだ。貼り付いた笑顔は誰も見ないと吐けたのだよ、愚か者め。莫迦で構わないのだ。構わずに放ってくれ、掘る、掘る、掘り尽くす――僕に何が証明出来るのか。未だ全冊読めず眩暈を覚えている僕が。存在の欠片を踏み付けて懺悔も成せない引っ付き蟲……此れは経験が足りない所為だ。貴様と叫ばれた欠点は確かに真実だろう。実の無い、失い、ナイ、有る演技が下手な程度の涎掛け――吐き出した溶解の無意味さが酷く臭った。殺されたのは僕の脳味噌で、君はきっと正解を惹き寄せた。宇宙的恐怖ほら、愉しそうな生物が僕の背中で骨々を投げ棄てた。腐った物語は美味なのかい。美味さ……ミートを咀嚼するのに接吻バグ・シャースは最適な解答だろうよ。は、は、は――深呼吸だ。抱擁する土が気分を悪くしたのは初めて。嘔吐てけり・り……嘔吐てけり・り……く、ね、く、ね……アフォーゴモンに乾杯だ。嘔吐てけり・りを呑み。悦ばしいと這い出せたぞ。

 眩しさの輪郭はダオロスよりも気が触れそうで、僕は表現にシミ憑いた。文字蟲などと蔑まれるならば、如何か我々をドールと吐き棄て給え。棺桶アッシャーの崩れ方を真似してこぼれ、神々スウシャイの時に滅んで終おう。さあ。笛と太鼓は誰が開幕ラヴクラフトか。人間の肉の味わい方を、報せてくれよ貴様――無名の霧が晴れる事は一度も無く、生れ落ちた闇が輝かしくて限界だ。いあ、いあ。ク・リトル・リトルの如く、貴様も僕も文字ル=リヱーの枕……。

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