第23話王都到着
俺達親子は、王都の門を馬車でくぐり抜けて王都に入った。
俺達が入った門は貴族専用門と呼ばれる門で、門を通り過ぎるときに付与魔法を施された魔力探知石というものがあり、国王陛下に下賜された貴族の紋章を触れさせると門が開き、馬車が通れる仕組みになっている。もちろん門番に中を確認されるが、あくまで簡易な確認程度。
これは国王が貴族を信頼しているからこそのシステムだ。
魔力探知石がなぜ国王陛下に下賜された紋章に反応するかは王宮上層部しか知らないらしい。父さんでも分からないそうだ。
いわゆる企業秘密というやつだ。
まあそんなことは置いといて、俺達は7日間途中で宿に泊まりながらも、馬車に揺られていた。
そしてようやく王都にたどり着いた。
馬車の中から王都の街並みを眺める。
俺の双眸に映し出された景色はハワードの街とは一風変わったものだった。
まずハワードと同じく京都のような区画整備、これは変わらない。だが家屋を見てみると二階建てが多かった。お金持ちが多いのだろう。
そして人がハワードよりも多い。さすが王都だ。
「ハワードとはまた違った街並みですね。父上。」
「ああそうだな、アル。王国ができておよそ500年。よくここまで成長したものだ。国力も隣接する帝国に匹敵している。次代に優秀な者を残してきた結果なのかもしれないな」
「ええ、そうですね。」
帝国とはフォルトナンセ王国に隣接するゴルドリアン帝国のことでおよそ300年前から王周辺国へ侵略戦争を持ちかけ国土を大きくしていった国である。
もちろん王国にも戦争を仕掛けられたが全て返り討ちにしてある。立派な国だ。
俺はふと思い立ち父さんに聞いてみた。
「帝国はこれから先、王国に攻めてくるのでしょうか?」
「……最近妙な噂があるのだ、あくまで噂だが。」
そう前置きを置いてから、父さんは少し顔色を暗くして話し始めた。
「最近、帝国が王国に攻めてくるのではないかという情報が王国上層部で出回っているらしい。だがあくまで噂の範疇で、陛下は王国の辺境を治めている貴族に聞くと攻めてくる気配すらないと言っていた。これは通信石で得た情報だ。もちろん攻めてこない事を祈るが、万が一のため、辺境では軍事訓練を行う頻度を増やしたという。帝国は密偵、密売、密輸など影でやっている事が多い。子供のお前にいうのもアレだがお前にはわかっていてほしい」
え?俺超信頼されてるじゃん!!嬉しい、素直に嬉しい!期待に応えられるように頑張る!
「ええ、貴族として当然のことです」
そうして父さんと話をしていると窓から王城らしきものが見えた。何か某遊園地のお城のようだ。さすがファンタジー世界。改めてテオス様ありがとう。感謝してます。
そうして数分後、俺達は王城についた。
「アル、降りるぞ」
「はい、父上。分かっております」
そうして俺達は乗っていた馬車を降りた。
降りてすぐに長身、黒髪黒目、黒丸メガネ、そして白い手袋をはめている男性がいた。
俺は思った。
これは執事だと。真の執事だと。
これぞ執事の中の執事!っとテンションが上がってしまった。ラノベで読んでて執事の服装とかみてたんだけど、ザ・執事だなこれは。
すると執事らしき男性は俺達をみるや否や声をかけてきた。
「お久しぶりです、ハワード侯爵閣下。そしてハワード侯爵家四男、アルバート様、お初にお目にかかります。
私の名前はセバスチャン・セバスチャンでございます。以後お見知り置きを」
えっ?セバスチャン・セバスチャン?これ本当に執事の中の執事だわ。
でもこんなところで動揺していては貴族として示しがつかない。落ち着いて応えないと。
「はじめまして、ハワード侯爵家が四男、アルバート・フォン・ハワードと申します。」
それを聞いたセバスチャン・セバスチャン、執事の中の執事は目を見開いた。
「このお方は本当に5歳なのですか?」
それを聞いた父さんは答えた。
「正真正銘の5歳だ。この子は聡明でね。何もかもが凄いんですよ。」
父さん、俺をベタ褒めしてくれるのはありがたいけどそんなんじゃ俺は騙されないからね?
いや、俺は何をいっているんだ?
「ははっ、父上もうよしてください。国王陛下が私達のご報告を待っておられます。セバスチャン様、案内していただいても宜しいでしょうか?」
「わ、分かりました。それではお連れします。私についてきてください」
そうして俺達はセバスチャン・セバスチャンに連れられ王城に入っていった。
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新作品
魔力回路を手にした俺は努力を惜しまず突き進む!
よろしくお願いします!
いますごく伸びてます!
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