第24話謁見①
セバスチャンさんに連れられて俺達親子は王城の謁見の間の前まで直接連れてこられた。
普段は待合室のような部屋に待たされて、呼ばれてから謁見の間に行くらしいのだが、今日は大至急という名目で俺達親子を呼び寄せたのでそのまま謁見の間に通されることになった。
セバスチャンが自ら声を張り上げる。
「ハワード侯爵家当主、ジャック・フォン・ハワード殿、並びにハワード侯爵家四男、アルバート・フォン・ハワード殿が参られました!!!」
扉の奥から男性の声が聞こえた。
「通せ!!!」
そうしてセバスチャンは謁見の間の大きな扉を開け俺達に入ってくださいと合図する。
それに従い父さんと俺は扉を抜けて謁見の間に足を踏み入れた。
俺の双眸に映ったのは、玉座へと一直線に伸びている赤い絨毯。そしてその玉座に座っているのが国王陛下。その横に侍っているのがこの国の宰相と思われる男性だった。今回は俺達だけ呼ばれたが、本当の謁見は赤い絨毯の横にも貴族が並んでいるらしい。謁見の間にはステンドグラスのような窓が設置されており、とても幻想的な空間を作っている。
これが謁見の間。国の威厳を知らしめす場所。
父さんと俺は玉座の少し前まで進み歩き膝をついて顔を斜め下に下げて指示を待った。
すると国王陛下は少し間を置いてから俺達親子に言った。
「面をあげよ」
その言葉に従い、父さんと俺は顔をあげる。
俺の目に映ったのは40歳くらいの金髪イケメンだった。
横に侍っている宰相もプラチナブロンド髪でハンサムだった。
さすがファンタジー世界。テオス様ありがとうございます!!!
俺は思わず嬉し泣きしてしまった。
「我の名前はフォルトナンセ王国34代目国王、エドワード・フォン・フォルトナンセだ。ハワード侯爵、そして息子アルバート。よくぞ我の命に応じて、遥々やってきた事感謝する」
それに父さんは答えた。
「いいえ、国王陛下。私達貴族は陛下の臣下でございます。お呼びに応じるのは当たり前のことでございます」
「そう言ってくれると助かる」
そう言って後、陛下は間を置いてから俺に声をかけてきた。
「して、アルバート。なぜさっきから泣いているのだ?」
と言われて俺は正気を取り戻した。
やばいやばい!ムッチャ疑われてる。まずは褒めないとな。
「お、お初にお目にかかります。ハワード侯爵家が四男アルバートと申します。国王陛下のご尊顔を拝見できてとても嬉しく涙を流しておりました」
それを聞いた陛下と宰相は目を見開いた。
「本当に5歳なのか?」
「どう教育したらそんな5歳に……。」
それを聞いた父さんは俺を見てから答えた。
「それはわたしにも分かりません。しいて言うならば、小さい頃から書庫にあった本を読んでいた事でしょうね」
それを聞いた、国王陛下と宰相は相槌を打つ。
そして国王陛下は俺に向かって言った。
「君の夢は何かね?」
「夢、ですか」
俺は四男だから爵位はおそらく兄さん達の誰かが継ぐ。
そうなると俺は職を探さなくてはならない。1番に思い浮かぶのはファンタジー世界職業人気ランキング1位の冒険者だろう。ということで決定!
「冒険者、ですかね」
「それほどの才を持っているのに、官僚は目指さないのか?」
え?やだよ。絶対に自由にいきたいからね。職に縛られるのはごめんだね。
「僕はこの世界を自分の目で見てみたいのです。まだ5歳で何もできませんが本に記述されている世界をこの目で見てみたい。だから冒険者になりたいのです」
「まあ、良い。夢を持つことは悪くない。10歳になったらまたしっかりと話そうじゃないか」
俺は首を傾げた。
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すみません、切り悪いと思いますが一旦切ります。
明日更新します!
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