第14話開戦直前

ジャックが北門についた頃、兵士達や冒険者達は各々が最低限できる準備をしていた。


武器、防具の破損確認、魔物の位置確認をするために精霊を使ったりなどだ。


そんな事をしている所にジャックがやってきた。


それに気づいた兵士達はすぐさま隊列を整え膝をついた。


1人の兵士が声を上げる。


「侯爵様、ご指示を!」


「分かった。それでは命令する。土魔法を使えるものは出来る限り魔物を足止めできるように北門を出てすぐさま、堀を作り、掘った土を壁のように積み上げてくれ。もちろん私もやる。出来るか?」


「もちろんです!土魔法を使えるやつは急いで堀を作るぞ!」


そうして土魔法を使えるものは急いで堀を作るため、北門を出ていった。


移動中兵士たちが思った事を話していた。


「やはり侯爵様はすごいお方だ」


「そうだな、普通は指揮官は何もしないのだがな」


「やはり、あの人の元で働けて良かった」


「バカ言え、これからも働くんだよ!」


「そうだそうだ!そのためにもまずは堀を作らなくちゃなんねえ。気合入れていくぞ!!」


それを聞いた兵士達は一斉に雄叫びを上げた。


『うおおおおーーーーーーっ!!』


そうして士気を上げる兵士達だった。




ジャックはその後、冒険者達が集まっている所へ向かった。


今更ながら、白馬は貴族の象徴である。


平民がひと目見ただけで分かるようになっている。


そんな例外に漏れず、1人の冒険者が白馬に乗ったジャックに気づいた。


「こ、侯爵様だ!」


それを聞いた冒険者達およそ100名は一斉にジャックを見て礼をした。


それを見たあと、ジャックは口を開いた。


「集まってくれた冒険者達、本当にありがとう。感謝する。自分の命を顧みず家族を、仲間を、子供達の笑顔を守りたいという思いを持ってここにきてくれて本当にありがとう」


それを聞いた1人の冒険者が声を張って言った。


「そんなの当たり前ですよ!この街を発展させてくださったのは侯爵様なんです!その恩恵を受けている俺たち冒険者は当たり前の事をしているまでです。もちろん守りたい気持ちも本当です!」


それに賛同する冒険者達。


「そうですよ侯爵様!街を救いましょう!」


それを聞いたジャックは答える。


「もちろんだ!早速だが、現在兵士達が堀を掘って土塁を築き上げている。土魔法を使えるものは手を貸して貰えないだろうか?」


「もちろんです!おいお前ら行くぞっ!!」


『うおおおおーーーーーーーっ!!』


そうして堀を掘る作業を手伝いに行った冒険者達だった。


「残ったものは各自戦闘に必要な準備をしておいて欲しい」


そう言い残しジャックも堀を掘る作業をしに北門を出た。







それからおよそ30分後、堀と土塁が完成した。


さすが魔法。現代の機械を使ってもこんなに早くはできないだろう。



そしてその約30分後魔物達が姿を現した。


直ちに冒険者と兵士達は土塁よりも後ろに下がり頭だけ出して様子を伺っていた。


ゆっくりと街へ近づいてくる黒い魔物達。その全てがBランク以上。その数およそ300体。この数字だけで常闇の森の生態系が分かるだろう。


兵士や冒険者が口々に思った事を言った。


「なんだあれは?オーガが沢山いるぞっ!どうなってやがるんだよ」


「ゴブリン・ジェネラル、ゴブリン・キングもいる」


「なんだあれは!?シルバーウルフも大量にいるぞ!?」


「見たこともない魔物もいるぞ!?」


「あれはギガントサーペントだ。Aランクの魔物だ。」


それを聞いていたジャックは思った。



このままではいけない。取り敢えず落ち着かせなければならない。


「大丈夫だ!ここにいる全員で総攻撃を仕掛ければとどめをさせるはずだ!」


それを聞いた兵士や冒険者は落ち着きを取り戻した。


「それではいくぞ!街を、家族を、仲間を、そして何より子供達の未来を守ろうじゃないか!」


『うおおおおーーーーーーーっ!!』


士気は最高潮に達した。


「攻撃開始だ!」


そうして後世に語り継がれることになるハワード領魔物掃討作戦の幕が開けた。

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