第10話神達との出会い
祈りの間は空気が澄んでいた。
さすが教会である。エドモンドさんからは1人ずつ祈りの間で祈ってくれとお願いされた。
なんでもその方が神様も耳を傾けてくださるのだとか。
そんなお願いを拒否するわけでもなく、ハワード家一行は父ジャックから順に神様に祈りはじめた。
父のジャックの祈りが終わり、母のスーザン、マーク、ジェシカの順で祈っていった。
そしてついに俺の順番が来た。
俺は前へ進み出て、正座をして目を閉じたあと、手を合わせて三男マークの合格を神様に報告しようとした。
すると顔に風が当たった。
ん?風?
疑問を感じて俺はおそるおそる目を開けると、見たことのある景色が俺の目に映った。
もしかして神界かな?
「ええ、そうですよ。お久しぶりですね一条輝政、いえ今はアルバート、アルと呼ばれていましたね。」
アルバートに声をかけたのは創造神テオスだった。
「えっ!?も、もしかして俺の心の声を聞いたんですか?」
するとテオス様は笑顔で答えた。
「創造神ですから!」
「そ、そうですか。」
「聞きたいと思えば聞けるんです!」
「あ、あのそろそろ説明をしてもらっても良いでしょうか?」
「ええ、良いでしょう」
そしてテオスは続けた。
「あなたが神殿に来ないから強制的に連れてきました。
一応教会も神殿の下部組織なので大丈夫かなって思ったんですよ」
「え?じゃあ、俺がいなくなったことで家族が心配しているかもしれません…」
「あ、そこは大丈夫ですよ?時間止めてもらってますから」
「え?時間止められるんですか?って止めてもらってる?テオス様じゃないんですか?」
「私は創造神、いわゆる最高神なのでなんでもすることができますが、いろいろな神がいるんですよ。つまり専門の神に今日はお願いしたのです。出てきなさい、上級神たち」
テオスがそう言うと空間が歪みそこから3人の人?いや、3柱の神が現れた。
「お呼びに応じ、参上致しました」
「参上仕った」
「来てやったぞ」
「挨拶なさい」
テオスにそう言われ3柱は続ける。
「では、私から。私は運命を司っている運命神フォルトゥーナ。あなたの事はテオス様から聞いております。アルとお呼びしても?」
そう言われ俺は何がなんだかわからないまま答えた。
「か、構いません!!」
「我は時空神クロノス。時空を司っている神だ。アルよ、仲良くしようではないか?」
会ったばかりなのにそんなこと言えるんだね、と思った。
「は、はい!!」
「チッ、しゃーねーな。俺は破壊神ブレイク。お前の事はテオスから耳が痛くなるほど聞いてる。と、友達というやつにになってやっても良いんだぞ?」
破壊神ってツンデレなの?も、もっと威厳があると思ったんだけど…。まあ、オーラはすごいんだよね。周りに負のオーラを纏ってる感じ。
「え、ええ…。」
全員自己紹介させた後テオスはアルに話しかけた。
「この3柱が上級神です。他にも中級神、下級神など他にも様々な神がいます。全て私の部下のようなものです。たまに人界に降り立って息抜きをする者もいますので声をかけてやってくださいね」
「はい、分かりました」
神様って息抜きするんだな。上級神様方は仲良くしようとか言ってたけどもしかして人界に降り立ったりするのかな?
そんな事を考えているとテオスが口を開いた。
「そろそろ時間です。今度は必ずここに来るときは神殿に行ってくださいね?わ、私も部下に迷惑かけちゃうのは嫌だから…。」
「分かりました。近いうちに神殿に行きたいと思います。兄さんの入学式を見に行くときに行きたいと思います。」
「それではまた今度お会いできる日を楽しみに待っています」
そうしてアルバートは教会に転送された。
アルバートが転送された後、神界にて
「私がアルの顔を生で見たいばかりにあなたたちに迷惑をかけてしまいました。すみません」
それを聞いたフォルトゥーナは言った。
「テオス様が謝ることではありません。しかし、何故アルを呼んだのですか?」
「ただ、会いたかったのです。心配で声を掛けたくなってしまったのです。」
それを聞いていた3柱である、フォルトゥーナ、クロノス、ブレイクは同じことを思った。
こんな創造神見たことない、と。
その中でフォルトゥーナだけがその原因に心当たりがあった。
母性でしょうか?それとも恋心?私ではテオス様の運命を見る事ができません。しかしどちらにしてもこのような姿は見たことがないですね。あの者が一体何者なのか一度間近でじっくりと確かめてみる必要があるありそうですね。
そう思ってテオスに言ってみた。
「テオス様、一つよろしいでしょうか?」
「なんですか?言ってみなさい」
「久しぶりに人界に降りる許可をいただきたいのですが…。」
「あなたはここ300年ほど働き詰めですからね。いいでしょう。許可します」
それを聞いていたブレイクは言った。
「俺も人界におりた」
「無理です。あなたは何もしていませんよね。そろそろしっかりと働いたらどうですか。フォルトゥーナの働きを見てみなさい。あなたも見習えば許可を出さないこともありませんが…。」
「チッ、分かった。やればいいんだろやれば」
そうしてブレイクは姿を消した。
それを見ていたクロノスは言った。
「ブレイクは余程アルとお友達になりたいようだな。あいつにもあんな一面があるとは思わなかった、フフッ」
神界ではそんなことが起こっていた。
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