第4話魔法を学ぶ!

1歳の誕生日会から2年後、アルバートは3歳になった。


この年頃は本を読めてもすこし賢い程度だと思い立ち、アルバートはマーサさんに本を読みたいと言った。


理由は単純、この世界の魔法と歴史、それに社会構造について学んでおきたかったからだ。早めに学んでも悪い事はないだろう。


まあ、本音を言えば魔法を使ってみたいだけなのだが………。


するとマーサさんは


「アルバート様、本は細かい字がぎっしり書いてあって難しいんですよ?でも大丈夫かしらね?分かりました、書庫へご案内致します。」


マーサさんが大丈夫と言うのには理由がある。


なぜなら俺は創造神テオス様から頂いた異世界転生特典ならぬチートスキルのひとつである『言語理解』を取得している。


これさえあればどこの国に行っても困らないはず!!!


まあそんなチートスキルのおかげで絵本に書いてあるちょっとした文なんかで文字は余裕で覚えられた。


元は官僚だし、勉強は得意分野だ。


マーサさんに書庫に連れて来てもらったが

本棚が高過ぎて本が取れなかったのでマーサさんに手伝ってもらった。


「あの本取ってくれる?」


「分かりました。」


そうして取ってもらったのは歴史の本だった。


題名は


『フォルトナンセ王国の歴史と国家体制』


というものだった。


フォルトナンセ王国とはアルバートが住んでいる国の名前である。王国の始まりは今からおよそ500年前にまで遡る。今の国王様は34代目だという。


よく続いてるもんだなと思った。


地球では日本が世界最長の王朝でそれに比べると見劣りしてしまうかもしれないが500年国家という体裁を保てている事はすごい事だと思った。


国家体制として階級がある。


1番上から順に並べると

•王族

•公爵

•侯爵

•伯爵

•子爵

•男爵

•騎士爵

•名誉騎士爵


とあり貴族は、公爵、侯爵、伯爵の上位貴族と子爵、男爵、騎士爵、名誉騎士爵の下位貴族がある。

その中でも名誉騎士爵は平民が多大な功績を残したときに国王から贈られる勲章のようなもので、一代限りで世襲制ではない。その他の貴族は世襲制だという。


貴族はほとんど長男が家を継ぐという。四男である俺は何も問題ないというわけだ。


そしてこの家のことだが、なんと貴族の階級で上から2番目である。

意外といい家みたいだ。喧嘩とかもなく温厚な家庭、良い生活が送れそうだ。


そんな事が書いてあり、かなり勉強になった。


マーサさんに本を戻してもらい、また新しい本を取ってもらった。


今度こそ魔法の本である。


『魔法を学ぶもの達へ~入門編~』


というものだった。


ページをめくってみるとそこにはこんな事が書いてあった。


•魔法を使うためには体内の魔力を感じなければならずお腹辺りが魔力を感じやすい

•魔力を感じるためには目を閉じてお腹辺りを意識するといいらしい

•無詠唱が望ましく、風を起こしたかったら『風よ』といえば思い通りに吹くという事

•体内の魔力が無くなると気絶する、又は死に至る

•魔法の属性は火、水、風、土の四属性が基本属性で光、闇が限られた者しか使えない属性だという。他にも無属性魔法というのがありこれは種類が多すぎて無属性魔法という名前がついている

•魔法を上達したいなら毎日欠かさず体内の魔力を感じて体内で動かす事が重要

•魔力量を増加させたいなら魔物を倒しレベルを上げる



と書いてあり、危うく『風よ』と言いかけたが本棚があったのでやめておいた。


どんな威力かわからないしね。


そうして読み終わった後、マーサさんに本を戻してもらって、部屋へ帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る