第3話転生

気がつくと輝政は洋風の部屋のベビーベッドの上にいた。部屋には煌びやかな装飾品や花瓶などがあり、高級感を漂わせている。窓から差し込んでくる光が程よく、部屋の雰囲気をより一層醸し出す。


おっ、転生出来たのか!ちょっと確かめてみるか。


輝政はそう思い立ち、ステータスを確認した。


「ステータス」



【名前】アルバート・フォン・ハワード(一条輝政)

【種族】人間族

【性別】男

【年齢】11カ月

【称号】異世界転生者、神々の使徒、ハワード侯爵家四男

【レベル】1

【能力ランク】SSS

【体力】100/100

【魔力】25800/25800


【魔法レベル】

火魔法LV10

風魔法LV10

水魔法LV10

土魔法LV10

光魔法LV10

闇魔法LV10

創造魔法LV10


【スキル】

アイテムボックスLV10

魔力運用効率化LV10

身体能力強化LV10

物理攻撃耐性LV10

魔法攻撃耐性LV10

隠蔽LV10

無詠唱LV10

手加減LV-

言語理解LV-


【加護】

創造神の加護


と神界で見たものとは少し違っていた。


ハワード侯爵家四男、これが俺の転生先だ。


ステータスを確認していると部屋にドアが開く音が響く。


入ってきたのは白を基調としたワンピースのような服を着た5歳くらいの女の子だった。顔は整っていて瞳は青色で透き通っており髪は少し青みがかっていた。落ち着いた佇まいは気品を感じる。


よっしゃ、髪が青色とか俺の思い描いた異世界だ!


すると女の子はアルバートに向けて話しかけた。


「アルバート!やっぱりかわいいねっ!」


「おねーちゃんもだよ?」


なぜ答える事ができるのかというと輝政が転生してくる前の記憶があるからだ。


おかげで、成人した者が味わいたくない記憶も多々あったけど……。


まあそんな事は置いといて。


いま目の前にいる女の子は

ハワード侯爵家長女ジェシカ・フォン・ハワード、アルバートのお姉さんである。


「もうすぐご飯だから、マーサさんがご飯持ってきてくれるよ」


「ありがとう、おねーちゃん!」


マーサさんとはアルバート専属のメイドである。


すると部屋にマーサさんが食事を持ってきてくれた。


「アルバート様、お食事ですよ、失礼しますね」


そう言ってマーサさんはアルバートの口元に離乳食をスプーンですくって近づけた。

それを食べる。


(………味しネェーーーーー)


そう、味があまりついていなく、美味しくないのだ。それでもマーサさんの手は止まらず食器と口元を往復し続ける。


そんなアルバートをずっと見ていたジェシカは


「やっぱり、かわいい」


と呟いていた。


アルバートは止めてくれと思ったがその思いはジェシカには届いていなかった。


ちなみに言っておくが、ジェシカは重度のブラコンである。


原因はアルバートが生まれてからは弟の日に日に成長する姿を見て、守ってあげたいという思いが芽生えたからである。


ご飯を食べ終えた後、マーサさんはアルバートに伝えた。


「今日はアルバート様の誕生日会です。夕食はリビングにて食事です」


そう、今日はアルバートの1歳の誕生日である。そしてベビーベッドからの解放日でもある。


この世界は1年が360日、1ヶ月が30日

1週間が6日、1日が24時間とテオス様が言っていた。


「うん、分かった。楽しみにしてるね」


そう言葉を交わした後、ジェシカとマーサさんは部屋を出ていった。



アルバートハワード何もする事がないので寝ることにした。






時刻は夕方、侯爵家の全員がリビングに集まった。


ハワード侯爵家当主、ジャック

第一夫人アリシア

第二夫人スーザン

長男オリバー

次男エドガー

三男マーク

四男アルバート

長女ジェシカ


全員が青色の透き通った目、青色がかった髪をしている。


今日の誕生日会のためにわざわざ、オリバーとエドガーは王都の学園から戻ってきてくれたらしい。いいお兄さん達だ。


リビングの席に全員が腰を下ろした後、ジャックが口を開く。


「今日は四男アルバートの1歳の誕生日だ。

みんなでアルバートの誕生を祝おう。」


それを聞いた全員は笑顔でアルバートに祝福の言葉をかける。


誕生日会といってもアルバートはほとんど食べられない。まだ1歳だから。


賑やかな誕生日会は終わりを告げる。睡魔が襲ってきたのだ。それに抗いきれずアルバートは眠ってしまった。


そんな姿を見た全員はみんなこう思った。


『かわいいなぁ~』と。


そう、この家全員がアルバートを溺愛しているのだ。


それを見たジャックは言った。


「この子は将来どんな子になるんだろうな。この子の夢を応援してやりたいな。」


「みんなそう思っているわ」


「ええ、そうですね」


「俺たちに出来る事を精一杯やってやろうぜ兄弟達!」


「「「おー!」」」


そんな家族の温かい温もりに包まれながらアルバートは今も眠っている。



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