霞む日々
その日俺は、未映に逢いに行った。
未映は俺が来ると思ってなかったらしく、凄く喜んでいた。
俺はその日から高校も行かずに、毎日未映に逢いに行った。
ただ未映は毎回泣いていた。
それが当たり前なのかもしれない。
もうすぐ自分の視界が閉ざされるのだから。
愚痴を吐いて、
病気に苦しみ、
俺に泣きついて、
俺が抱きしめて落ち着かせて、
そのあとは何故か俺にずっと謝り続けて、
夜中に未映が寝ついてから俺が帰る。
そんな日々の繰り返しだった。
抱きしめると分かる、異常なまでに急激に痩せていく身体。
掠れてく声。いつも朦朧としている意識。
目の前の現実が受け入れられない。
でも受け入れないといけない。
もう少しで目の前から消えてしまうのだから。
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