迷い

俺はすぐに返事出来なかった。


俺には芽衣が居る。

落ちぶれていた俺を救ってくれた大切な芽衣が。


でもこの告白を聞いたあとだと、未映に抱いてた感情も甦る。



俺はまず謝った。

未映のことを勘違いしていたこと。

付き合ってた時に気付いてやれなかったこと。


そして話した。

既に芽衣という女性と付き合っていることを。



話した瞬間、未映は悲しい表情を見せた。

学校に来てなかったから知らなかったのだろう。


「そうなんだ…ごめん。

せっかく来てくれたけど、もう大丈夫。

帰って大丈夫。今日はありがとう」


未映は頑張って笑っていたが、目は潤み、切なさが胸を締めつけた。



俺が家を出る時、未映が最後に言った、

「さよなら」がその日の夜、ずっと頭から離れないでいた。

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