告白

8時、俺は未映の家に着いた。

インターホンを押す手が震える。

緊張なのか、自分の情けなさを実感した。


出てきたのは少しやつれた未映。

俺は心配になりながらも、未映の部屋に上がらせてもらった。


買ってあげたネックレス。

祭りの日にくじで当てたぬいぐるみ。


付き合ってた時と変わらず、全部飾ってあった。



沈黙が続く。

しばらくすると未映はゆっくり喋りだした。


「突然ごめんね、ただ伝えたかったの。

こんなこと言われても困るのは分かってるけど、未映の余命もう少しみたいなんだ。

子供の時から病気で、付き合ってた時もたまに苦しかった。

迷惑…掛けたくないから別れたけど…、寂しい。

凄く寂しい…。

一人ぼっちのまま死ぬのが怖い…。

他の人じゃ無理だよ…。

未映はまだ好きなの…。

お願い…、最低な事したけど許して…。

最後だけでも一緒に居て…」



途中から泣きながら話す未映。


病気のことも初耳。

そしてもうすぐ居なくなるなんて予想にもしてなかった。

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