初めての授業
・時刻:ポショポチョ氏の四回目の死亡から二日前(訂正)
・場所:サルでも入学できる魔術高等学園・蘇生の教会
オッラァッ!!
俺は棺桶の蓋を全力で蹴り飛ばす。
「シャッラァッ!!」
隣の棺桶の蓋は、ワフゥの全力の掛け声と供に蹴り飛ばされた。
そして素早く二人で女神【アバズレ】像に蘇生感謝の祈りを捧げる。この女神に蘇生されていなければ、俺達はこの時点で人生終了だったのだ。当然の感謝である。
「お二人とも、蘇生されたようですね」
「ッ、ポショポチョ氏ッ!!」
「ナイフを抜け、ワフゥ軍師ッ!!」
「死亡時にナイフは落としたッ!!」
「人を殺せる物だったら何でも構わねぇッ!!」
後ろから聞こえてきた殺人鬼の声に、俺とワフゥは直ぐさま熟練されたコンビの動きで戦闘態勢をとる。二人はその辺りに置かれていた小型の女神【アバズレ】像を握り締め、鈍器の構えを見せた。
「いきなりなんですか? 殺されたくなければ大人しくしていなさい」
ふと、其所で気付く。
「おぉ、ポショポチョと黒尽くめの女子。おんし等の席はこっちじゃ」
先程出会ったばかりの、鬼の亜人さんことオニニが手を振っている。いや、彼女だけではない。俺とワフゥを除いた十人の生徒が、教会に用意された長椅子に座っている。普段は教祖とかが立つ祭壇には、不釣り合いであろうイカれたクソ眼鏡女ことミュカバ氏が立っていた。
おいおい。
俺は直ぐさまにこの状況を理解して、ミュカバ氏に言った。
えっ、此処もしかして……教室なんですかぁ?
「えぇ。私が受け持つ転移者の生徒達は、恐らく学園の中で一番死亡回数が多いと想われます。貴方も死んだとき、一々、蘇生の間から教室に戻ってくるのは面倒でしょう? 私が学園長にお願いして融通して貰い、蘇生の教会を教室にして貰いました」
嘘でしょ? 魔術学園の教室が、死と一番近い蘇生の教会とか有り得ます? なに、気を利かせて起きましたみたいな言い方してんの。まず、死亡回数が多いクラスってなんだよ。魔術学園と死亡回数は噛み合わないだろ。
クソが。
この女はやはりヤバい女だ。ゴッコルさんに通じてるところがある。
「ミュカバ先生とお呼びすれば?」
「えぇ、構いません」
「へへっ、ありがとうございますぅ」
俺は即座に低姿勢でゴマをすった。この女は下手に出ていた方が良い。金や権力でも屈さず、暴力で物事を解決する脳筋に対してはこうするしか方法が無い。
「ワフゥさんとポショポチョさんは一番前、私の目の前です。さぁ、速く席に着きなさい」
「先生、ボクは近眼なので一番後ろが良いです」
「そうですか。ワフゥさん、視力検査を行いましょう。近眼が嘘だった場合は殺します」
「でも、最近、レーシック手術を行ったので近眼は治りました」
「では、席に着きなさい」
「はいっ!!」
ワフゥは元気よく頷いて一番前の席に座る。俺はそんなやりとりを行う前に席に座っていた。ミュカバ先生に小細工が通じないことは分かっている。この女を出し抜くには理性的に動き、計画的な行動が必要だ。
「さて、生徒が全員揃いましたね。皆さんが揃うまでに三時間掛かりました」
なに、皆さんが静かになるまで五分掛かりましたみたいな言い方してんだ。俺とワフゥの合流が遅れたのはお前が俺達を殺したせいだろうが。ほざくなよ、クソ眼鏡め。
と、脳内で愚痴りながら、俺とワフゥは非常に申し訳なさそうな表情でしゅんと顔を俯かせる。
「私も入学式に此処まで生徒を殺害するとは想いませんでしたが……まぁ、大体は予想通りです。貴方達は本当に自由に生きてきたのだと想像すらつきますね」
俺はくぅーんと懐かしき犬の声を出しながらも、ワフゥ軍師へアイコンタクトを送った。ワフゥは首を振る。なんで首振ったんだ此奴、意味分からないわ。俺はとりあえずワフゥ軍師に頷き返した。たぶん、此奴も俺が頷いた意味が分かってないだろう。
「貴方達は、あぁ、私が言う貴方達と言うのは転移者を指しますので、亜人の方々は適当に聞き流してください。亜人の方々は【不死者スキル】が付与されるまで殺害されることはありませんので」
俺とワフゥ軍師の耳がピクンと動く。
……スキルの付与だと? おいおい。おいおいおいおい。
ワフゥ軍師は俯いたまま、口を三日月のように吊り上げる笑みを浮かべた。俺はそんなワフゥ軍師を軽蔑しながら、心優しき笑みを浮かべる。
「ッ……!?」
隣に座るオニニが横目で俺達を見て身体をビクつかせる。
監獄よりヤバいところに来たと想ったが、まさか、とんでもない爆弾をミュカバ先生はサラッとぶちまけやがった。
転移者はそれぞれ、自分に合った特有の【SSRスキル】という特殊なスキルを持っている。
俺で言えば【魔薬スキル】。コイツは【薬剤師】にて薬を作成する際、特別な補正がかかるスキル。大抵の薬なら自在に作ることが可能だ。
そして隣にいるワフゥ軍師は【観察眼スキル】という、人を見ただけで、性格から日常の行動パターンを大体は理解出来るスキル。正直、このスキルは説明だけを聞けば微妙だが、その実用性は計り知れない。俺がワフゥ軍師を便利な女、もとい最高の相棒としているのは、このスキルが理由の大半を占める。嘘付いた。スキルと見た目の容姿が理由の大半を占める。
この様に、【SSRスキル】と言うのは個々に与えられながら、効果は使い方次第で最強にもなり得る武器だ。
そして、ミュカバ先生が軽く言い放ったスキル付与の言葉。しかも、【不死者スキル】という凶悪なスキルを付与出来る言い方をしている。ならば、【SSRスキル】だって付与が可能なはず。
クンクンと匂う金の匂いに俺とワフゥ軍師の嗅覚はビンビンに働く。
「あぁ、ちなみに……」
ミュカバ先生の言葉を逃すまいと、俺は心優しき目付きで彼女を見ると、これまたビックリするぐらい、ミュカバ先生は俺を睨んでいた。
「私は貴方達に話している会話の中で、何回か
ミュカバ先生が言い放った。
チッ。予想していたが、やはりそうか。この女が、自由人であり、欲望の化身であるワフゥ軍師を前にして素直にこんな美味しい話をする訳がない。コレはブラフだ。しかし、何処までが本当で、どれが嘘だ……何故、俺を睨んでいる?
「……まぁ、良いでしょう。話を進めます。基本的な学園の説明に入りましょう。まず最初に言っておきます。校長は貴方達を栄えある未来が待つ愛すべき生徒だと言いました。感動的な台詞です。素敵ですね。私もそう思います」
どの口で言ってるんだろう。俺はそう思った。
だが、ミュカバ先生は俺の期待を裏切らなかった。腰に差している剣を引き抜き、徐に投擲。何処かのアーチャーみたいにヒュンヒュンと音を立てて飛ぶ剣は、真っ直ぐ女神【アバズレ】像のおっぱいに突き刺さる。
「貴方達以外の生徒は―――と前置きがつきますがね」
ヒューッ。
俺は宇宙海賊絶許マンのように口笛を吹く。
「……僕達以外だって?」
自尊心の塊にて自他共に認める隠れナルシストのワフゥ軍師がミュカバ先生の言葉を気に入らないと言わんばかりに言葉を返す。そして、次の瞬間には首が吹っ飛んで光の粒と化した。
「そう。貴方達以外の生徒は、栄えある未来が待つ愛すべき生徒です。このクラスはENDクラス。単語をそのままに読み取っても構いません、深読みしても正解です。このクラスは、人格強制変更プログラムの実行対象者に選ばれたクソゴミの集まりです」
ちょっと待って下さいよッ!!
俺は、クソゴミの集まり呼ばわりに吠える。
オニニ氏や、蘇生して棺桶から飛び出すワフゥ軍師、そして面々にいるクラスの仲間達はクソゴミ呼ばわりに唖然としているからだ。
俺は此方を睨むミュカバ先生に言う。
よしんば、ワフゥ軍師はクソゴミの塊呼ばわりで構わねぇッ!! あの女は金でしか動かねぇ正真正銘の生ゴミだッ!! 良いところって言ったら俺の性癖ドストライクってところぐらいだよっ! でも、此奴等は違うッ!! 善人の魂を持っている筈だッ!! オニニ氏を見てみろッ!! コイツとはあんまり話していないが、良い奴だって分かるッ!! そう言う雰囲気があるからなァッ!!
「オニニ氏は転移者を狙った連続殺人犯です」
「不死者は不死なんじゃから殺人犯呼ばわりはないじゃろ」
クソがッ!! とんだゴミの塊じゃねぇかッ!! じゃあ、後ろの奴等だッ!! 此奴等は気さくで良い奴に違いないッ!! まともに生きてる奴等がゴミの集まり呼ばわりはあんまりだろうがッ!!
俺はあたかも聖人主人公のように全力で叫び、将来の手駒候補の好感度を稼ごうとする。
「このクラスは、前科が三十ないと編入されないクラスですよ」
テメェ等、とんだクソゴミの集まりだなッ!! 死んだ方が世の中マシになるぜッ!!
「貴方は前科が百七十二回でしょう。このクラスで断トツのクソゴミですよ」
「ボクは知っているよ。王都以外の罪状を合わせると余裕で三百の前科はあるって」
「三百って殆どの罪状をコンプリートしとるの……流石のわっちも引くぞ……」
人身売買と麻薬には手を出してねぇ。其所を超えるとマジでヤバくなるからな。後、詐欺ね。老人を騙す奴。あれも良心が痛むからやってない。あぁ、でも、それ以外は大体やったかなぁ……
「お前が一番のクソゴミじゃねぇかっ!!」
「なに、俺等を庇う風にして逃げてんだゴミ野郎っ!!」
「ポショポチョって、掲示板で晒されてたヤベェ奴じゃねぇかッ!! どの口で言ってるんだクソゴミがッ!!」
後ろで聞きに徹していたゴミ達が吠え出す。
ここぞとばかりに囀りやがって、ゴミ共め。怒りと殺意が沸くが、ミュカバ先生から放たれるソードスキルによって、ゴミ共の命が散ったので、俺は大人しく席に座り直す。
「……わっちが殺人犯呼ばわりなら、センセはなんなんじゃ……?」
分かる。
正直、お前の殺人回数とミュカバ先生の殺人回数比べたらミュカバ先生が余裕で勝つと想う。こう考えると、ミュカバ先生も相当にヤバい。
「全く。話が進みませんので口を閉じてなさい。次から口を開いた瞬間に、転移者は殺します。亜人の方々は昏倒させるので、そのつもりでいなさい」
ミュカバ先生の言葉に、棺桶から舞い戻った転移者とワフゥ軍師は素直に口を閉じた。不死者であっても、死ぬのは痛いから嫌なのだ。
沈黙に包まれた生徒を見て、ミュカバ先生は満足顔で肯く。
「やはり、貴方達に言うことを聞かせるのは、コレが一番速いですね」
殺すのが一番速いって、もうテロリストの言葉なんだけど、言ってる本人は気付いてるのかな。
「さて、話を戻します。先程も言ったように、このクラスは人格強制変更プログラムを実行する対象者に選ばれた方々が集まっています……貴方達はこう想っているでしょう。ふざけるな、と」
むしろ、人格強制変更させられそうになってるのに、ふざけるなって想わない奴っている? 居ないと想う。みんな、ふざけるなって叫ぶと想う。
「そんな、貴方達に一度だけチャンスを与えましょう」
なに……?
脈絡もなく、唐突に言い放った言葉に、俺達、生徒はしんと空気を張り詰めた。
ちょっと想ってたけど、ミュカバ先生の会話のテンポは速い。一言で全部言い切る上、無駄な内容が一切無い。口調からも、生真面目で融通のきかない性格が見え見えだ。
だが、チャンスと来たか。
「人格強制変更プログラムに参加したくない者。こんなクソゴミの集まりであるクラスに居たくない者。貴方達にはチャンスがあります」
俺はこんなクソゴミの集まりであるクラスに居たくない。どうせ魔術学園にいるなら、普通のクラスに入って普通に魔術を習って、ちょっと可愛い女の子に囲まれる最弱のお兄様みたいなラノベ生活が送れるクラスに行きたいと切に思う。
「レクリエーションです」
「レクリエーション……」
ワフゥ軍師が聞き逃すまいと言葉を繰り返し、無駄な口を開いたのでミュカバ先生のソードスキルの餌食となった。ミュカバ先生はハンカチを取り出し、血に汚れた剣を拭きながら口を開く。
「明後日から一週間。この学園は、クラス対抗で闘技大会を行います。転移者、亜人とも、自由参加ではありますが、このクラスは強制参加です」
「闘技大会……」
ポツリと言葉をオニニ氏が繰り返し、ミュカバ先生のソードスキルによって昏倒する。ワフゥ軍師は棺桶から飛び出して、俺の隣に舞い戻った。
「勿論、学年別に行われます。この闘技大会に、このクラスが参加して、もし、優勝出来たのなら……」
「……優勝出来たのなら?」
言葉を止めたので、俺は催促するように問い掛け、ミュカバ先生のソードスキルによって首を跳ね飛ばされた。死に慣れている俺は素早く蘇生して席へと駆け戻る。
「貴方達は、人格強制変更プログラムの対象から外されます」
………この話には絶対に裏がある。
誰が考えたって分かる見え見えな罠だ。ミュカバ先生の狙いは間違いなく、このクラスの奴等が闘技大会にて本気を出して優勝を狙うことだろう。
だが、そうさせる目的はなんだ? 絶対にある筈だ。このクラスの連中が、本気で闘う姿を見る理由が。
実力がどの程度なのかみたいのか? いや、もし、そうなら、他にやり方はいくらでもある。明らかに美味しいと想わせるエサをぶら下げ、あからさまに動く必要はない。ならば、ミュカバ先生の本当の思惑は何処にある……
あまりにも怪しすぎる話に、誰もが目を細めて口を閉じた。乗り気になるような馬鹿は、このクラスには誰も居ない。
「優勝したクラスには賞金も出ますよ。確か……七百万程でしたかね」
「みんなっ!! 人格強制変更プログラムから逃げる最大のチャンスだよっ!! ボクは此処が本気を出すターニングポイントだと想うっ!!」
金で見事に一本釣りされたワフゥ軍師が立ち上がり、拳を掲げて全員に訴えかけた。この女は金で動く。ミュカバ先生も予想の範囲内だったからこそ、賞金があると言ったのだろう。
「ちなみに、転移者の殺害に関しては、闘技大会の中では事故として扱われます。武闘派な転移者も本気を出すでしょうね」
「わっちは黒尽くめの女、ワフゥ軍師の言うことが最もだと想うのじゃっ!! 此処で闘わぬして、おんし等は何時闘うんじゃっ!!」
此奴等、欲に弱すぎない? エロゲの女キャラかよと疑うくらいガバガバな危機管理能力してる。嘘だろ? 金に釣られるワフゥ軍師はまだ分かる。お金はあって困るモノじゃないし、時には力や権力になるくらいお金ってのは偉大だ。でも、転移者を殺害しても良いで乗り気になるのはどうなの? もう、思考が完全にサイコだけど、良いの?
「……あと、女性も大会に出場しますからね。毎年、服とか破ける女子が結構居ますよ」
パンチラ。いや、待て。あからさまだ。こんなのに引っ掛かるのは子供くらいだ。ブラチラ。いや、でも。合法的にセクハラ……
「俺はやるぜ」
「やれやれ……本気を出す時が来たかな……」
後ろに座る男のクソゴミの塊共がパラパラと立ちだした。転移者だった。不死だからどうにかなると甘い考えで闘いを決意したクソゴミ共だ。
俺はその中でも冷静に席に座ったままだった。金で動かなかった一部の女の転移者達も座ったままだった。
「そうそう。言い忘れていましたが、闘技大会を優勝した暁にはイケメンのアイドルグループが貴方達を祝福してくれるイベントやらがありますね」
「私達が狙うのは優勝だけよ。そうでしょう、みんな?」
ただしイケメンに限るって奴は異世界でも平気で蔓延りやがる。
ミュカバ先生はギラリと俺を睨む。
甘いんだよ、イカれたクソ眼鏡女め。俺は金には興味ある。正直、七百万とか咽から手が出るほど欲しいし、手に入れるチャンスがあるなら貪欲に狙っていきたいと想ってる。女の服が破けるってのも、頗る興味がある。闘技大会だ。闘いの場であれば、剣やらが掠めて、女子の服が破けてしまう事故は起こしてしまうだろう。俺なら起こると想うし、俺も女子の服を破いてしまうと想う。
ん? 断る理由がねぇな、コレ。
「ポショポチョ氏っ!! 悪知恵と直感と犯罪的カリスマの思考を持つ君が立たなくて、何時立つんだっ!!」
「……ワフゥ軍師……」
「七百万だぞっ!? 七百万だっ!! 百万が七つで七百万だっ!! スクラッチの大当たり何枚分かなっ!! ブランドバッグとかどれだけ買えるかなっ!? 七百万だって、ポショポチョ氏っ!! 七百万っ!! ボクは欲しいっ!! 七百万っ! 欲しいのっ!! 欲しいっ!!」
「いや分かった。分かったよ。落ち着け。どれだけ興奮してんだ、怖いわ」
「ボクは七百万が欲しいっ!! もし、君が七百万をボクに与えてくれる為に闘ってくれると言うなら……っっ」
ワフゥ軍師はぎゅっと覚悟を決めた顔で俺を見つめ。
「おっぱい」
「ッ……」
自分の小さな胸に手を添える。
「満足するまで揉んで良い」
「なんだと?」
俺はポケットに忍び込ませていたボイスレコーダーを起動させる。
「ボクのおっぱいを満足するまで揉んで良いと言ったっ!!」
言質はとった。
「………」
「ポショポチョ氏……ッ」
「……ったく。ワフゥに言われちゃ、断れねぇなぁ……」
「ポショポチョ氏……っ!」
「……昔からワフゥには甘い男だって自覚はあんだけどな……」
俺はスクッと立ち上がる。机の上に飛び乗り、天を指で指す。全員の視界が俺に集中するタイミングで、大きく息を吸い込み、ミュカバ先生へ指を向ける。
「ミュカバ先生よ、アンタの思惑はみんな分かってるぜ」
「……そうでしょうね。貴方はこんな簡単な言葉で騙される者じゃない」
「だが、あえて、その思惑に乗ってやる」
「……それで?」
これは、七百万とかおっぱいとか女子の服を破くとか、そんな闘いじゃない。もっと崇高で、もっと気高い闘いだ。
「出会ったばかりの俺達だ。不安もある……だが、俺達の思いは今、闘技大会に参加して優勝すると言う思いで一つになったッ!! ミュカバ先生、アンタの人格強制変更プログラムを俺達の熱い想いが勝ち取る優勝で無かったことにしてやるよ。よっっく見とけよ、俺達の本気って奴をなァアァーッ!! その目に刻みやがれェえぇぇーーーッ!!」
全力で叫んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます