第八話 兵長の仕事

勇樹はスキル『隠密』で姿を隠す。


「おいおい、まだ生きていたのか?」


ミスタリーが人を馬鹿にする態度で亜人たちに言う。


亜人達がミスタリーを睨む。


「あぁ? なんだお前ら? 亜人のくせに偉そうな面しやがって」


そう言うと、ミスタリーは亜人達の群れの中から一人を選び、胸ぐらをつかんで


上に持ち上げる。


ミスタリーは持っていた大剣を片手で持ち、持ち上げた亜人の胴体を思いっきり刺す。


亜人の体から血しぶきが飛ぶ。


「キャァァァーーー!!」


他の亜人が悲鳴を叫ぶ。


「うぇぇぇぇーーーんん!」


子供の亜人は泣き叫ぶ。


ミスタリーは亜人の死体を地面に投げつける。


「っ……」


勇樹は透明な手を口に当て目を大きくする。


「お前らもこんな事されたくなかったらおとなしく黙ってるんだな」


ミスタリーが亜人達に言う。


すると、兵士達が亜人達の部屋を漁り始める。


兵士達は食べ物や衣服などを亜人達から奪い、ミスタリーに渡す。


「お前らに幸せがあると思うな! さっさと飢え死にして死ぬんだな!」


ミスタリーが強い口調で亜人達に言う。


「10日後にまた来るぜ。 その時はお前ら仲良くあの世行きだけどな!」


そう言うと、ミスタリーは亜人達の住み処を後にする。


ミスタリーがいなくなった後、おびえて座っている亜人達の群れからガイコツの見

た目をしたモンスターが立ち上がる。


モンスターは亜人の死体をそっと持ち上げ土に埋め、墓を作る。


そしてモンスターは墓にお祈りをする。


すると、亜人達もモンスターの周りに集まり、墓にお祈りをする。


お祈りをした後、亜人たちは悲しい顔をしながら自分たちの部屋に戻る。


モンスターは勇樹に近づいて来る。


モンスターは勇樹が閉じ込めれている牢獄の鍵を開ける。


「連いて来てくれ」


モンスターは勇樹にそう言う。


勇樹は色々聞こうとするが、空気を察し黙ってモンスターに連いて行く。


モンスターはある部屋に勇気を案内する。


部屋の中は椅子とテーブルだけだ。


モンスターは椅子に座ると、向かいの椅子に手を差し出し「どうぞ」と合図をする。


勇樹は言葉に甘えて椅子に座る。


そして、モンスターは勇樹に向かって驚きの発言をする。


「君ってここの世界の人じゃないでしょ?」

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