第6話 朝の運動、朝の恋バナ
「フミ!もういっちょいくぞーー!!」
「っしゃこーーーい!」
「
練習に夢中になっていると、フェンス越しに凪の声が聞こえた。ということはそろそろ朝練終わりか。そう考えていると。
「そろそろ8時になるから片付け始めろーー。
クールダウン忘れずになー」
「「「うえーーーーっす!」」」
丁度いいタイミングで顧問の先生から朝練終了の指示が出た。朝練に参加してた部員はその声に対し一斉に返事をし、一斉にグラウンドを片付け始めた。
「んじゃちょっと待ってて、片付けて速攻着替えるから」
「はいはーい」
俺も片付けに向かうと伝えると、
「相変わらずだなーフミは」
「何がだよ」
「
「何を当たり前のことを」
何のためらいもなく俺は答えた。
「身長に似合わず男らしい!流石フミだぜ!」
どうやら大地的にはさっきの発言は男らしいようだ。だがそれよりも気になるポイントが。
「誰がチビだって?大地でもはっ倒すよ」
「チビとは言ってない!ごめんて!!気をつけるからー!」
「分かればよろしい」
「ふぃぃ………」
そんなこんなで無事片付けも着替えも終わり、俺と大地は凪の元へと向かった。するといつの間にか到着していたのか、凪と一緒に松雲さんがいた。
「おー、
「着いたのかじゃないわよこの筋肉野球バカ。もう少しゆっくり来るつもりだったのに忘れ物やべぇ!って電話で伝えてきたから急いで学校来たんじゃない!はい、これ」
そう言って松雲さんは右手に持っていたカバンから赤色のノートを取り出しそれを大地に渡した。
「よかったー、やっぱ桜里の部屋だったか。助かったー!」
「宿題教えてくれって言うから教えたのになんでそれをそのまま私の部屋に置いていくのかな」
「桜里の部屋はなんか落ち着くしさ、つい」
「まぁいいけどね」
大地と松雲さんは淡々とやり取りをしていた。
俺と凪はと言うと。
「どう思います、凪さん。大地妙にデレデレじゃないですか。なんかありそうな気がしますけど?」
「いやいや逆ですよ、森文さん」
「逆と言いますと?」
先程のやり取りを見てから変なテンションになっていた。
「桜里ちゃんが小森くんをデレデレにさせてるのよ。ほら見てよ、いつもとは違うシュシュなのを髪を揺らしてアピールしてるわよ。桜里ちゃんなんて可愛いのかしら」
「おや、大地が気づいたっぽいですよ。見とれちゃってもう!」
「微笑ましいわねぇ」
とまぁ、どっかの井戸端会議風のやり取りをしていた。凪は自身の恋愛感情には興味はないのに他人との恋愛事情には興味があるようで、たまにこう言ったやり取りをするのだ。これをしてる時は何故か分からないけどオネエ口調になってしまう。本当に謎である。けれど凪が楽しそうにしているのを見ると、考えるのがどうでも良くなって結局乗ってしまうのだ。
「2人とも何してるの?そろそろ行こうよ~」
そうこうしているうちに大地と松雲さんの準備が整ったのか松雲さんが声をかけられた。
「「はーい」」
俺と凪は息ぴったりに返答していた。それに驚き顔を合わせるとお互いに笑いあってから2人の元へと向かった。
今日もいい日になりそうだ!!
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