第2話 指技、暗算速動指。

「食らえッ!」


 チート能力ッ!!!


 倒れている銀のマグナ・ラグナゲシュペイン天周てんしゅうへ飛ばす。


「巨大ロボットアタアアアアアックッ!!!」


 超重量の物質が豪速で吹っ飛んでいく。


 ブオオオオオオオン!


「フッ」


 天周てんしゅうは右手を出す。


 マグナ・ラグナが天周てんしゅうに当たった。





 ピタッ。





「そんな!? マスター! 巨大なマグナ・ラグナが宙で浮いたまま、ハゲの前で止まりましたよ!」


 ノアが驚嘆きょうたんする。


「あれは、止まったんじゃない。止められたんだ」


「なんですって!?」


「ご明察めいさつ


 天周てんしゅうは指三本で、マグナ・ラグナを受け止めていた。


 ドゴオオオオオオン!


 マグナ・ラグナを落とした。


「なんて握力なんですか!?」



「あれは、師匠から教わった技―――――――――暗算速動指あんざんそくどうしッ!!!」



「なんですか!?」


 俺はゴクリと喉を鳴らし、説明した。


暗算速動指あんざんそくどうしとは、ソロバンができるより前の時代、人々は、指を立てながら、1、2、3・・・って感じで計算していた。日常的に指を早く動かして計算することで、握力が鍛えられたそうだ。その尋常ならざる握力を利用し、計算だけでなく、暗殺などもしていたそうだ。また、指は突出した脳と言われている。指を早く動かすことで、脳が活性化し、高速思考をも可能にするそうだ。時は流れ、ソロバンだけでなく、パソコンができた今もなお、指を早く動かし計算する手法が人知れず伝えられてきた。それがこの、暗算速動指あんざんそくどうしだッ!!!」


「なんですって!?」


余興よきょうだ」


 天周てんしゅうが右手をかざす。


 シュバババババババババババババババババババババババ!


 残像ができるぐらい、早く指を動かした。


 ピタ。


「一秒で75920904328643862646945803まで数えた」


「なんですって!?」


暗算速動指あんざんそくどうしは全ての技の基礎きそ天周てんしゅうのヤツ、とんでもない暗算速動指あんざんそくどうしだぜ・・・・・・ゴクリ」


 俺はあごを流れ落ちる冷汗をぬぐった。

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