第16話 ノイズの幻聴。
動く気力の無い俺は、その場の
チリリリン♪ チリリリン♪
「この音は!?」
スマホの着信音は、座っている下から聞こえる。
俺はバッと立ち、
チリリリン♪ チリリリン♪
着信音はどんどん大きくなっていった。
「はあ、はあ、はあ、はあ・・・・・・見つけた」
ボロボロの、白いコンパクトデバイスリレイションキーだ。
画面にヒビが入っていて、何と表示されているか、分からない。
頼む、無事でいてくれ!
俺は祈る思いで、
電話に出た。
「もしもし?」
スマホは
『
俺は、スマホを、落としそうになる。
スマホから、ノイズ混じりの声が聞こえた。
『・・・・・・マス・・・ター・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・ございました。・・・・・・ピーガガガガガガガガガガガガガガガガ』
俺は白いスマホを耳に押し付けたまま、
涙を流した。
『
「マスターだ」
『ユーザー登録完了。同時に、音声認識システムにアナタの声を登録しました。このコンパクトデバイスはアナタ専用の端末になりました』
「そうか」
『自己紹介が遅れました』
白いスマホからタンタンとした声が流れる。
『私はこのコンパクトデバイスリレイションキーの
「ああ、よろしくな」
俺はポケットに手を入れ、歩き出した。
マフィアみたいなヤツは現れないので、時間はたっぷりある。
俺はさっきまであったことや、ノアの親であるカタストロフ・ノヴァがどんなヤツだったかを、家に帰る道すがら、ノアにゆっくり語ってやるのだった。
それはまるで、子守唄でも歌うかのように。
~ 完 ~
読者A
「AI欲しい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます