異世界に来た俺はチート能力があって魔王に会った瞬間倒した。

第１５話 主よ。死を謳歌しろ。

『はあ、はあ、手強（てごわ）いアーティフィカルインテリジェンス（AI）だ。しかし、今度こそ完璧に消滅させた』

　寄生者（コカーチス）が、地面に落ちた大剣ドラグヴァイツァーを掴む。

『さて、次に消滅するのは、君の番だ』

「黙（だま）れ」

　俺は寄生者（コカーチス）を睨（にら）んだ。

『なにッ！？』

　寄生者（コカーチス）は石化したように、ピタッと動きを止めた。

『な、なんだ！？　君から感じるこの強い力の感じは！？』

　俺は・・・・・・・・・・・・右腕の包帯を解く。

　ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ・・・・・・ボン！

『ど、ど、どういうことだッ！！？　こ、こ、これはおかしいッ！！！　こんな戦闘力はおかし過ぎるッ！！！　私は確かに、君を殲滅するため、必要な戦闘データは揃（そろ）えたはずだッ！！！』

　寄生者（コカーチス）は声を震わせ、一歩後（あと）ずさり、持っていた大剣を地面に落とした。

　俺は寄生者（コカーチス）に近づいていく。

『い、い、いいだろうッ！！！　だったら、私も戦闘力を向上させればいいだけだああああッ！！！』

　寄生者（コカーチス）は叫んだッ！

『トランスフォームエボリューション『ドラグニールシステム』、起動おおおお

ッ！！！』

　白きマグナ・ラグナ、ファフニールが変形し、赤い光に包まれ、絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）へと、姿を変えた！

　絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）はドラグヴァイツァーを掴（つか）む。

『おおおおッ！！！　凄（すご）いぞおおおおッ！！！　力が漲（みなぎ）ってくるううううッ！！！　これなら私の戦闘力は君、以上だああああッ！！！』

　俺は足を止めた。

「だったら、始（はじ）めようぜ。このくだらない戦（たたか）いの、フィナーレ（最終戦争）をッ！！！　永（なが）きに渡（わた）る戦（たたか）いの、終末（ピリオド）を打つためにッ！！！」

　俺は構えた。

「しとめるッ！！！」

　絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）がフルブースト（音速を超える加速）で接近（せっきん）し、加速の勢いを乗せ、ドラグヴァイツァーを振り下ろす。

　瞬時（しゅんじ）、

　俺は光速（こうそく）で、真っ向（まっこう）から突（つ）っ込（こ）んだ。

　パキン。

　ドラグヴァイツァーを折った。

『なにッ！！！』

　俺は絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）の懐（ふところ）に飛び込む。

　だが、

　バリバリバリバリ。

　バリアで阻（はば）まれた。

「うおおおおおおおおッ！！！」

『ギャハハハハ！　このバリアがある限り、私に敗北は二字は無いッ！！！』

「うおおおおおおおおッ！！！　貫（つらぬ）けええええええええッ！！！」

　俺はチート能力を一点に集中させる。

　チート能力ッ！！！

　パキイイイイン！

『な、なんだとッ！？　私のバリアがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！』

　俺は絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）のバリアを破った。

『クソおおおおおおおお！！！』

　ヤケクソになって、絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）が殴りかかってくる。

「チート能力（のうりょく）・七十八式（ななじゅうはちしき）・奥義（おうぎ）・夜十神（やとがみ）ッ！！！」

　ズシャズシャジュグジュゴズシャ！

『ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！』

　絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）の背後に立ち、残身（ざんしん）をとった。

「主（しゅ）よ。死（し）を謳歌（おうか）しろ」

　絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）は上半身と下半身に分かれる。

『・・・みご・・・と・・・・・・だ・・・』

　バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン！！！

　絶対破壊の赤竜（ドラグナーファフニール）は爆発して、死んだ。

　俺はファフニールを破壊した。

　それは同時に、

　カタストロフ・ノヴァも、この手で壊したことになる。

「ごめんな・・・・・・カタストロフ・ノヴァ」

　地面に、涙が、ポロポロ落ちた。