第七章 暗黒・異世界転生の章。
第1話 ニュース。
「ただいま」
「おかえり。コラ! 家に帰ったら手洗いとうがいをしなさい! 新型コロナウイルスにかかっちゃうでしょ!」
「そうだぞ」
「わかった」
いつ、どこのお袋も、家に帰ったら、口うるさく、手洗いとうがいしろと言う。
新聞の見出しに「史上初めての
新型コロナウイルスの拡大は、
感染拡大を防ぐため、まずは俺自身がかからないように心がけよう。
俺はしっかり、手洗いとうがいをするのだった。
テレビをつけた。
『夕方のニュースです』
「どれどれ」
『若い男性がトラックに
「マジか」
『可哀そうですね』
「そうだな」
『次のニュースです。飲食店で毒が
「毒アイス!? マジでか」
『怖いですね』
「そうだな」
『次のニュースです。飛行機場で飛行機が四台ぐらい倒れたり、隕石が落ちるなどの事件がありました』
「世界の終わりだ」
『なお、飛行機が倒れた影響でケガ人はいなかったです。隕石も地球にバリアが張られたので大丈夫でした。死亡者は2名です』
「そうなんだ」
『人類が滅亡しなくてよかったですね』
「そうだな」
『次のニュースです。町外れにある大聖堂が
「これはヒドい」
『なお、映像があるらしいです』
映像が乱れていて見にくいが、
『・・・これは怪獣でしょうか? ・・・うーん。分かりませんね』
「そうだな」
1日を振り返る。
何回か死んで、結婚して、多くの人の死も
なんか1日なのに、30年ぐらい生きた気がする。
俺は今日の事を忘れたりしない。
絶対に。
ピンポンパンポン。
テレビが騒がしくなる。
『速報ですッ! ドラッグストアなどで、マスクやトイレットペーパーやハンドソープが
「なんだと!?」
俺は机をバンッて叩いて、立ち上がった。
「それは知っているッ!!!」
マジで新型コロナウイルス、なんとかなってくれ。
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