二章 【君の好きな人は誰かな?】

第10話 アプローチ計画

「おぉ〜!比呂〜!」

「お、おい……… どうした⁉︎」


日曜日の朝。いきなり雷太が家に飛び込んできた。


「またまた振られたんだよ〜!」


家に入るなりソファーの上で転がりまくった。


「はぁ〜……… 何回目だ?」

「もう10回目だよ〜!」


雷太は告っては振られ、そしていつも俺に泣きついてくる。もういい加減やめたらいいと思うのだが、中々やめられないそうだ。

今だって泣きじゃくっている。


「今度は誰だ?」

「浜津だよ」

「はあ⁉︎ あいつに⁉︎」

「お前のだしな」

「い、いや。それ関係ねぇし………」


もはや俺は呆れて何も言えない。

浜津愛菜。あいつとは切っても切れないくされ縁ってやつだ。親同士が仲良いから昔は毎日のように遊んでた。今はただのお節介焼きだ。


「いいじゃねぇか!だって可愛いじゃねぇか!お前はあんな幼馴染がいて羨ましいぞ!」


雷太がいきなり俺に向かって突っ込んでくる。俺はギリギリのところで避けた。


「ちょ……… 俺に八つ当たりをするな。俺はあいつのこと何とも思ってねえしよ」


愛菜はただの友達のはずだ。向こうがどう思ってるかは知らねえが。


「そうだ!白百合を俺に紹介してくれ!」

「は⁉︎」


俺は耳を疑った。

こいつは、またとんでもないことを………

俺が白百合に紹介したら、どう見てもおかしいだろ。


「やめとけ。振られんのがオチだ」

「頼むよ!最近お前だけイチャイチャし過ぎだろ?」

「イチャイチャって言うな。だ」

「頼む!」

「……………」


俺は溜息をついて立ち上がった。正直白百合にアプローチを手伝うとか気が引けるんだよなぁ。

しかもこのご時世。こういうのに関わったら絶対痛い目を見てしまう。


「こりゃあ、借りだぜ?」

「おっしゃ〜!アプローチ作戦開始だ!」


雷太がいきなり立ち上がって叫び出した。

まったく……… さっきまでの落ち込みはどうしたものか。

俺もお節介だなぁ。こんなのに首を突っ込むのはよくないと思っているのに。でも親友の頼みだしな。


「よっし!景気付けに今からカフェにでも行くぞ!」

「い、今からか⁉︎」

「もちろんお前の奢りだ!」

「か、勘弁してくれ………」




【お知らせ】

いよいよ第二章の始まりです。

羽田と白百合の関係は⁉︎ 果たして雷太のアプローチは成功するのか⁉︎ お楽しみに!

また、星を入れてない人はどんどんお願いします。


次回の更新は3月25日午前0時頃です。

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