第8話 楽しくなる予感です!

「へえ〜 羽田君ってほんとに賢いんだ〜」

「あ、ありがと………」


羽田君が驚いたような顔でこっちを見ている。

やっぱ引かれてる。いや。惹かれてるのかな?

羽田君もやっぱりあっち側の男なのかなぁ。

そう思っていたら羽田君の方から喋りかけてきた。


「そういえば白百合さんもさっきテスト返してもらってたよね?見せてよ」

「わ、私?私は遠慮しとく………」


1番困ったお願いだ。私のテストなんか見せたら絶対嫌われちゃうよ。だって羽田君の100分の1の点数だよ?どう考えても笑われちゃうよ。


「いいじゃん。もったいぶらなくても」

「そ、そういうのじゃないから………」

「いいじゃん。お願い」


羽田君の私に対する期待の目が見える。そんな目で見ないでほしいよ。私バカだからなぁ。


「………笑わないでね?」

「笑わないよ」

「じゃあ……… はい」


私は意を決して見せることにした。


「す、すごいね………」


羽田君が驚きつつ苦笑いしてこっちを見てくる。


「あ〜!やっぱ笑ってる!」

「い、いや。だって想像と全く違うから………」


やっぱ呆れられてる。1だもんね。私も自分で引いちゃったし。


「こ、これは……… なんか頭の中真っ白になっちゃって」


私な悩んだ末、一応言い訳をしてみた。


「ようするに……… 君はバカなんだね?」


で、ですよね〜 

やっぱ通じなかった………


「しょ、初対面の女の子にそんなこと言う?」

「俺は嘘はつかないからね」

「羽田くんの意地悪〜」


でも羽田君は私を他の女子と同じように見てくれている。私が求めていたのはこんな自然な会話かもしれない。そして話していてすっごく楽しい。


(はぁ〜私が惹かれちゃうかもね❤️な〜んて)


私はいつしか羽田君を憧れの目で見つめるようになっていた。


◾️◆◇


「どう?学校にも慣れてきた?」

「うん。浜津さんのおかげだよ」

「ふふ。愛菜でいいよ。それより羽田はいい奴だったろ?」

「ま、まあ……… いきなりからかわれちゃったけどね」


あれから数日。羽田君は相変わらず私に意地悪だ。でも羽田君は私と話してる時、とても笑顔だった。それを見てると私の方まで楽しくなってくる。


「あいつは昔っから女子が苦手なんだけどね。しれっと嬉しいことを言ってくれるからいい奴なんだよなぁ」

「ふふ。私もあの人結構好きです」

「おっ!羽田に気があるの?」

「い、いや……… そういうのじゃなくて」

「ふふ。わかってる」


夢に見た女子トーク。こういう話を1度してみたかった。

まあでも、羽田君は少なくとも他の男子とは違う。

授業中もそれとなく羽田君を見ちゃう時もある。

やっぱ友達って嬉しいな。 


(羽田君!この1年間。とても楽しいものになりそうです!あなたのおかげです!)


私は心の中でそう呟いた。




【お知らせ】

次回からは羽田目線に戻します。まだまだ物語は続いていきますので、皆さん応援をよろしくお願いします。また、星をくれた皆様。本当に感謝です。ありがとうございます。入れてない方はどんどん評価をお願いします。


次回の更新は3月23日午前0時頃です。















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