第7話 新しい中学校生活

白百合鈴華目線………


◾️


「こんにちは。白百合鈴華って言います。これからよろしくお願いします」


私が挨拶すると、拍手が起きる。

まさか私が転校なんて……… 友達もいない中学校は緊張する。それで絶対周りがざわざわする。

こういうのやっぱ苦手だなぁ。


「それじゃあ羽田のとなりに座ってくれ」

「は⁉︎」


羽田君って子のとなりかぁ。いい子だったらいいな。もしかしたら友達になってくれるかもしれない。


「よろしくね。羽田君」


私は横に座り、挨拶をした。


「よ、よろしく」


記念すべき羽田君との第一声。まさかこの時、この人を先生に選ぶとは思ってもなかった。


◾️◆◇


「はぁ〜 中々緊張しちゃうなぁ」


私は椅子に座って周りを眺めていた。転校生とはいえ、もう中学生。自分で言うのもなんだけど、私って可愛いし。中々注目浴びちゃうんだよなぁ。


「昨日だって………」


転校初日……… クラスの男子の1人に呼び出された。大体想像はついたんだけど。無視するわけにもいかないし。とりあえず行ってみることにした。


「白百合さん!あなたに一目惚れしました!好きです!付き合って下さい!」

「え、え〜っとねぇ………」


初日からこれだ。すごく反応に困っちゃう。前の学校でも男子と喋るたびにこんなことになったし。そのせいで、いつしか男子と喋ることも少なくなっていった。


「ご、ごめんなさい🙏」

「そ、そうですか………」


その子は俯きながらその場を去っていった。その後は冷たい風が私の横をざわざわと吹いていく。

私は溜息をついてベンチに座った。


「はぁ〜 もうこんなことばっかりするのはやだよ………」


告られては振っちゃう。こんな嫌な気持ちになることは他にないよ。


「ふふふ。転校生は大変だねぇ」

「へ?」


その声に振り向くと、いきなり話しかけてきたのは、茶髪で半袖。いかにも元気って感じの女子だった。


「あ、あなたは………?」

「私、浜津愛菜って言うの。よろしく!」

「よ、よろしく………」


明るいオーラが出まくっている。ちょっと苦手かもしれない。


「いきなりごめんね🙏なんか寂しそうだったから。私でよければ友達になってね!」

「あ、ありがと。嬉しいよ😊」


前言撤回。中々いい子みたい。前の学校じゃあ、くる女子くる女子嫌みしか言ってこなかった。だから嬉しいなぁ。


「ああ。それと……… となりにいる羽田ってやつが友達になってくれると思うよ。あいつ、めっちゃ賢いから」

「へぇ〜あの人が………」

「私から言ったってことは秘密にしといてね?じゃあね!」


ほんとに元気な子だった。なんか笑顔が絶えない人だ。でも初めての友達はやっぱ嬉しい。


◾️◆◇


テスト返却の時間………


「はぁ〜 やっぱ点数悪かったよ〜」


テストに対しての溜息は何回目だろうか。我ながらバカだなぁ。まさかの100点満点中1点とは。もっと勉強しなくちゃね!


前を見ると、羽田君が先生に褒められていた。

やっぱりあの人賢いんだ……… 私も話しかけてみたいなぁ。

でもいきなり話しかけたら嫌われるかな?

でも羽田君にちょっと興味あるし。


羽田君に対しての気持ちが渦巻いていく。

私も勇気出さなきゃ!


「羽田君?」

「は、はい。なんすか?」



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次の更新は3月22日午前0時頃です。




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