第6話 授業1日目

「よぉ比呂!お前白百合さんの家庭教師するらしいじゃねぇか!」

「は⁉︎なんで知ってる⁉︎」

「ははは。親友の情報はいち早く仕入れねばならぬのだよ」


ほんとにこいつは………


「で?誰から聞いた?」

「はぁ〜お前はほんとにKYだなぁ。白百合さんだよ」

「くっそ〜 あいつは………」


こんなに速攻バレるとは思わなかった。


「でも白百合さん。めっちゃ嬉しそうに言ってたぜ?」

「へぇ〜 あいつが………」

「優しくしてやれよ?もしかしたらお前に惚れてたりしてな」

「あほか?お前は………」


◾️◆◇


放課後………


ついに家庭教師の時間がきてしまった。不安過ぎる。まず、この女子と2人っきりという状況。何が起こってもおかしくない。まさか俺が白百合を襲ったりはしないが。


「落ち着け。俺は賢いんだ。何があっても切り抜けられるはずだ!」


この前抱きつかれた時のドキドキ💓は今でも残ってしまっている。だから、たまに。たまにだが……… 白百合が俺に好意をもっているのではないかと思ってしまう。


「お待たせ〜!」


ようやく白百合が来た。


「お、おう………」

「何?緊張してるの?」

「べ、別にそんなことはないが?」

「OK🙆‍♀️ じゃあ始めにルールを言っておきます」

「ルール?」


え?ルールって俺が決めるんじゃねぇのか?


「その一。私は放課後テンションが上がります。変なことをしても気にしないで下さい」

「は⁉︎ちょっと待て………」

「質問は後で!じゃあその二。その日の終わりには必ず私を褒めて下さい」

「いや。でも………」

「だから後で!最後にその三。私が何をしても嫌いにならないで下さい」

「……………」


若干無茶苦茶なルールだな。褒めるとか……… こいつ絶対バカだろ。テンション上がるとかも。疲れるんだけど。


「んじゃあ。よろしく!先生!」

「お、おう」


ルールはおいといてだが。


「じゃあ始めに偏差値を測るテストを受けてもらおうか?」

「了解です!よかったら褒めてね?」

な………」


テストが始まった。教室の中は音一つ鳴らない。白百合の集中してる姿も初めて見た。意外と可愛いかもしれない。


(俺の理性はいつ爆発するんだろうか)


◾️◆◇


1時間後………


「できました!先生!」

「んじゃあ結果は明日だな」


出来ていることを祈りたい。これが出来ないと教えるのも大変だしな。


「それじゃあな」

「ちょ、ちょっと⁉︎」

「なんだ?」

「いや……… 褒めてよ。ルールその二だよ!」

「はぁ〜」


こいつはめんどくせぇやつだな。


「はいはい。よくできました」


俺は頭を撫でてやる。我ながら恥ずかしい。顔が熱い。そもそも同級生でこんなことをするのもおかしいが。


「てへへ💕ありがと」

「それじゃあな」


ようやく家に帰れる。幸福のひとときだ。


「ちょっと待って!」

「まだ何かあるのか?」

「これは私からだよ❤️!」


白百合が後ろから抱きついてくる。


「羽田君!今日はほんとにありがとね!」




【 お知らせ】

次話は白百合目線で書きます。白百合は何を思って家庭教師を羽田に頼んだのか。どうぞお楽しみに!

次回の更新は3月21日午前0時頃です。

レビューもまだまだないのでぜひお待ちしてます!



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