第5話 こともあろうか仕事を引き受けてしまった
星を恵んで下さるとモチベ上がります。
どうぞよろしく!
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教室の中は依然とシーンとしている。時おり窓から風が吹いてくるくらいだ。
「は?」
「賢い君なら、この意味。わかるよね?」
「さて。なんのことやら………」
雷太に言われてから嫌な予感はしていた。「勉強教えて」の言葉の中に何が含まれているかは大体わかる。が、言いたくはない。
「もう〜!とぼけちゃって!つまり………」
「ああぁ!言うんじゃねぇ!お断りだ!」
「私まだ何にも言ってないよ?」
もはや次に言いたいことはわかる。
「家庭教師………だろ?」
「ピンポーン🙆♀️!大正解!私たち意思疎通してるね!」
「勘違いすんじゃねぇよ」
「相変わらず君はつれない男だねぇ」
白百合の家庭教師なんて……… 考えただけでもおぞましい。絶対やりたくない!
「却下だ!」
「いいじゃん!君がいいんだよ!」
「絶対却下だ!」
「ええ〜!お願い〜!」
「…………」
忘れていた。こいつは何を言っても聞かない強情な女だったことを。さて。どうしようか?
「第一、俺。教えんの下手くそだから」
ここは理由を言って断ることにした。
「そんなことないよ!その……… 羽田君と勉強してると楽しいっていうか」
「え?そ、そうか………?」
まずい。まさかの予想外の答え。次はどうやって断ろうか。
「俺、放課後は忙しいんだよ」
次はこの手だ。忙しいと言えば大抵の人はわかってくれる。大抵の人はだが。
「じゃあこれからもっと忙しくなるね!」
「あのなぁ………」
その笑顔で言われるとこちらもキツい。もはや何も言えない。
「お願い!放課後ちょっとだけでいいから!」
「う〜ん………」
普通の人なら断らないんだろう。そりゃあ白百合は見た目は可愛いというか……… スタイルも悪くないし。でも俺は普通じゃない。かと言って彼女も普通じゃない。
「いいだろう……… 少しだけだぞ?」
「やった〜!ありがと〜!」
白百合が抱きついてきた。
「お、おい⁉︎ば、バカ!やめろ!」
「何照れてんの?あっ!もしかして私にドキドキ💓しちゃってる?」
「ち、違うわ!ほらっ!今日はもう帰るぞ!」
今初めて、白百合にドキドキしてしまった。抱きついてきたあの感触。そして何かいい匂い。
って俺は何を意識してるんだ!落ち着け!落ち着け!
「じゃあな」
俺は一応、手を振る。
「ふふ。バイバイ!羽田せ〜んせい❤️」
【お知らせ】
さて。ついに羽田君は家庭教師を引き受けてしまいました。これからどんな授業が始まるのか⁉︎どうぞ最後までお楽しみに!
次の更新は3月20日午前0時頃を予定しています。皆様、ぜひご評価をよろしくお願いします!
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