第4話 あいつは幸せ者だよ

「家庭教師ってあれだろ?なんか、お金払って家に来てもらうやつ」

「そうそう。それだよ!」


正直家庭教師なんてものはお金の無駄だと思う。なんなら塾に行った方が友達もいるし、お金も安い。あれは金持ちのボンボンが頼むやつだ。


「先に言っておくが……… あんなん雇っても意味ねえぞ?」

「えっ?どうして?」

「いや……… だってお前バカじゃねぇか?」

「だから行くんだよ!それと……… すぐにバカって言うのやめようね?」

「へいへい。おバカちゃん」

「もう〜!」


◾️◆◇


「おう!比呂!お前最近イチャついてんじゃねえか!」

「ん?誰とだ?」

「もちろん。麗しの白百合鈴華さんだよ!」


これだから雷太は………


「あのなぁ……… そんなんじゃねえからな?第一に俺はあいつを可愛いと思ってねぇから」

「ああ……… お前は幸せ者だよ」

「人の話聞いてんのか?」

「それよりだ!あの方が最近、家庭教師を探しているらしいぞ?」

「あいつがねぇ………」


そういえばこの前、そんなことを言っていた。ちょっと悪いこと言っちゃったかもなぁ。


「なんでも候補は一応いるらしいぞ?」

「ふ〜ん……… 一体そいつ。どんなやつなんだろうなぁ」


家庭教師なんて、相当賢いやつじゃないとできない。しかも白百合の好みの人とか……… そいつほんとに幸せもんだよ。別の意味で。


「お前最近仲良いしやったったら?」

「おいおい冗談きついぞ?」


◾️◆◇


放課後………


「おい比呂!早く帰ろうぜ!」

「ごめん。俺、この課題終わらせてからだから」

「った〜!相変わらず真面目だなぁ!んじゃ。また明日!」

「おう!」


雷太が帰った後の教室は俺1人。たまにはこんな静かな教室もいい。俺はここで心を落ち着かせて………


「羽田君!まだいたんだ!」

「………マジかよ」


白百合がいた。


「そんな嫌そうな顔しなくてもいいでしょ?」

「してねえよ………」

「ふふ。いつも通りの羽田君だね」

「当たり前だ」


偶然が過ぎる。むしろ、狙ってこうなっているのか。神様のいたずらなのか。


「羽田君ってさぁ。放課後は何してる?」

「いきなりだな………」

「いいじゃん。で?」

「俺か………」


特に何をするって言っても……… むしろ暇な時の方が多いよな。


「暇………だな」

「あっ!やっぱり?」

「お前も失礼だな?」

「てへへ❤️」

「だから可愛くねぇっつたろ?」

「もう〜!せっかくこの美少女の私がアピールしてあげてるのに………!」


よく言うぜ……… 自分で美少女とか言って。自意識過剰はどっちなんだか。


「羽田君……… 突然なんだけど」

「なんだ?」

「勉強。教えてくんない💕?」


【お知らせ】

少し忙しいので、次回の更新は3月20日です。時間があれば19日に更新します。皆さんぜひご評価を!


【追加】

無事作れたので、次話は3月19日午前0時頃に更新します!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る