第3話 気づいたら仲良くなってきた
「なぁ雷太………」
「ん?なんだ?」
「例えば。例えばの話なんだが……… 女子に見られてるって、気があるってことなのか?」
この前の白百合のあの言葉が少し引っかかってしまう。
「そりゃあお前……… 状況にもよるだろ。必ずしもそうとは限らねえ」
「だ、だよな。そうだよな?」
「なんでだ?あっ!もしかして白百合さんに………」
「ち、違うわバカ!んなわけねえだろ!」
雷太にバレたら何を言われることか。
「はは。やっぱ比呂は昔っから女子が苦手だな」
「うっせ〜よ」
■◆◇
授業中………
「し、白百合さん?」
「ん?なにかな?」
まっすぐな笑顔でこっちを見つめてくる。
「こ、この前……… 俺のことを見てるっつってたけど。どういうこと?」
「え〜っと………」
俺は返事を待った。すると………
「私そんなこと言ったっけ?」
時が止まった。いや。止まったように感じたのかもしれない。冷たい風が吹いてくる。
「へ⁉︎ い、いや。 言ってたと………」
みるみる俺の顔が赤くなっていくのがわかる。
「言ってないと思うよ?」
「い、いや。だから言ってたと………」
は、恥ずかし過ぎる。なんとしても認めさせなければ俺の面目が立たない。
「ふふ。羽田君は自意識過剰さんだねぇ」
「……………」
こ、この俺が。この俺が女子にからかわれているとは……… もはや何とも言えない。
(羽田君……… 時には秘密にしておきたいこともあるんだよ❤️
■◆◇
「羽田君。ここ教えてくんない?」
「相変わらず君は………」
「バカって言いたいんでしょ?」
「よくわかったな。賢いじゃないか」
「羽田君も相変わらず意地悪だね~」
俺と白百合は時間が経つに連れて、とても打ち解けてきた。もしかしたら初めて仲良くなれた女子かもしれない。
「ここはこの図形をだな………」
「なるほど……… 全然わかんないね?」
「おい💢 ここは前に教えたはずだぞ?」
「私たち会ってからまだ3日だよ?」
「それでもだ!」
「てへっ❤️」
なぜだろう……… 可愛いと全く思わない。
「全然可愛くねえぞ?」
「う~ 羽田君のバカ~!」
「バカじゃねえ。俺は天才だ」
「やっぱ自意識過剰だね」
この前のことはマジで恥ずかしかった。まさに穴があったら入りたい状況だった。
「羽田君……… 突然なんだけど………」
「ん?なんだ?」
白百合が改まった雰囲気で言う。
「家庭教師って知ってる?」
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すいません。追加情報してましたが、予定通り更新します。
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