第2話 読者モデル!?
今日はスーパーのセールがあるので早めに大学を出ることにした。
一人暮らし.......。正確には結乃との二人暮らしとはいえ、両親からの仕送りは必要最低限に限られている。
もちろんバイトを探していたこともあった。しかし、接客業ではこの前髪を切るという条件だったので全て落とされた。
.......そろそろ、本気で探さないと。
「なんかいいバイトないかな......。」
思わず口に出していた。
「貴方バイトを探しているの?」
サングラスをかけた怪しい雰囲気を漂わせる女性が僕に聞いてきた。
「.......はい、そうですけど。って、えっ!?」
「うん。どしたの?」
サングラスを鼻にかけて上目遣いをしているこの女性には見覚えがあったのだ。
世の中の男子たちから人気を集めている大学生モデルの今宮美玲その人だった。
「.......今宮美...玲っ。」
「.......あちゃー、バレたか。」
「完璧な変装だと思ってたのにな。」
天使のような笑顔で微笑んだ。
「えっ?」
ほんとにどういう事だ?
.......本当に?
.......確か結乃ファンって言ってたよな。
「あっあの、さサインを.......。」
自分でも声の大きさに驚いてしまった。
「しーっ、お忍びで来てるんだから。とりあえずそこのカフェに入ろ。」
人気モデルに手を引かれながら僕はカフェに入っていった。
「でさ、さっきの続きなんだけど。」
「はい...... 。」
今宮美玲とお茶しちゃってる。
ぼ、俺は明日死ぬのか.......?
きっとそうだ。
その前にファンに殺されないよね......。
そんなことを考えながら、俺は次の彼女の言葉を待った。
「単刀直入に言うね。君、読者モデルに興味ある。」
「えっ.......?」
読者モデル?この人は何を考えてるんだ。
.......お世辞にもかっこいいとはいえないのに。
「で...でも前髪を切るつもりは。」
「前髪はそのままでいいよ。スタイリストさん達が、オールバックとか分けたりとかしてくれるし。」
この人は俺の顔を見ていないからそんなことを言えるのだと思った。
「で......でも」
「大丈夫。私、見る目はある方だと思うんだよね。」
彼女は自信に満ち溢れてる。そんな感じがした。
「強制ではないから、もし気になったらここに来てね。」
彼女は会社の住所が入った封筒を渡すと、直ぐに帰ってしまった。
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本当になんだったんだ.......。
俺はしばらく余韻に浸っていた。
「.......そう言えば、茜も読者モデルやってるんだよな。」
「うっ。」
未だに彼女とのことを思い出すと強い吐き気に襲われる。
医者には軽い女性恐怖症だと言い渡された。
.......うっ、気持ち悪い。
今宮美玲と人気を二分するモデルであり、
極力思い出さないようにしていたその女子の顔を久しぶりに思い浮かべてしまった。
裕翔のトラウマの原因である、
雪ノ下茜のことを.......。
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第2話も呼んでくださりありがとうございま
す。コミュ障なのに今宮美玲の前で堂々としてたのは、緊張しすぎている為一周してしまっていた裕翔君でした。
フォローの程よろしくおねがいいたします。
モチベーションぐんぐんアップです!
一人称俺に変更しました。
【余談】主人公は自分に自信を持っていたので、全否定された時の耐性が0でした.......。
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