第4話 始まり(後編)
「誰ですか?」
と、話しかけてきた人物が何者か聞く。
「はじめまして、僕は天之御中主。別天津神の1柱さ~。」
「ここは?」
「高天原っていえばわかるかな?」
なるほど、神々が暮らす場所でしたか~
なぜに?
「ふっふ、困惑してるね。今から説明するよ~。」
「え~、こほん。異世界召喚されると、別の世界に移動する際に移動先の神界を中継し、世界に体を適合させる。送還はその逆で戻る世界に合わせて体を適合させる。」
なるほど、僕は「そう、君は違う。」
おや、僕の思考が読まれたようだ
「あの子たちと違って君は自力で戻ってきた…。」
ということは僕は自力で戻ってきたため、体が地球に適用できてないんだ。じゃあ、呼ばれたのは体を適合させるためか。
「ああ、待った待った。君の体を適合させることはしないよ、ていうかできないよ~。」
天之御中主が僕の考えを否定する。
なぜ?
「君は何度も世界を行き来した。その代償で体が変化している。君の体からは魔力だけじゃなくて神力も感じられる。それ以外の力も...不思議だね~。」
本当に不思議そうで首をかしげている。
「あ~、うん、そうですか。」
原因はわかってる。けど言わないでおこう。
「そんな君が現世に戻ったら世界のバランスが崩壊し最悪の場合壊れる。だから影響の出ないここで暮らしてもらう。」
「それなら仕方ないですね。」
「やけにあっさり了承するね。」
「向こうの世界で色々と無茶やったので仕方ないと。」
「なにしたのか聞いてもいい?」
「聞かないでください。」
「そう、まあいいや。」
深く追及してくれないようだ。よかった。
「じゃ、君がここで生活することについて説明するよ」
「はあ」
「案内するからついてきて」
そう言って天之御中主は歩き出したので後を追う。
時間にして10分ほどたつと一軒の家が見えてきた。
「君が暮らすのはあそこね~」
天之御中主が家を指さしながら言う。
それから5分経ち家の前まで来た。
いや~、普通の木造一軒家にしか見えないね~
そんなことを僕は考えていた。
「君は此処で3神と一緒に暮らしてもらうよ~」
天之御中主が僕を見ながら右手の指を3本立てて言った。
「3神?」
「そうそう、日本人のだれもが知っている3神だよ~」
誰だろ?
「ふっふ~。その3神とは天照、月読、須佐之男だよ‼」
三貴神の皆さまでしたか~、そうですか~
「嘘だ‼‼」
あまりのスケールに僕は嘘と判断する。
「残念‼本当です~‼みんな~出ておいで~‼」
笑いながら天之御中主は家に向かって呼びかける。
少し時間が置かれ玄関の戸が開くと、そこから
「お主が今日からここで暮らす人間か。妾は天照なのじゃ。よろしくなのじゃ~。」
最初に左目が紅色、右目が金色、黒髪ロングの和服ロリの天照が出てくる。
「…ハァハァ、姉上立派に挨拶してかわいらしい…。あ、僕は月読です。よろしくお願いします。」
続いて右目が金色、左目が紅色の燕尾服を着た青年の月読。
「あはは、俺は須佐之男‼今日からよろしくな‼」
最後にタンクトップに短パンを着た三白眼のオールバック少年の須佐之男が出てくる。
おぉ~う、本当みたいです
とりあえず
「柊 誠です。これからよろしく。」
そう自己紹介をし、高天原の空を見ながら僕は
これからここで生活しなきゃいけないのか…
と思い深く息を吐いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます