第172話 鳥坂の野望 〜鳥坂視点〜
今年の学園祭は例年にない盛り上がりを見せました。その立役者はなんと1年男子だと言うから驚きです。
だって……。
彼の見た目は完璧な女子!
ミスコンでも優勝出来たかも知れないほどの可愛さなのですよ!
インスピレーション湧きまくりです! 最高の被写体を見つけました!
ボクが彼の所属するバンドのミュージック・ビデオを作り、動画サイトに投稿して国民的アイドルに育ててやろうと思いました。
でも、撮影交渉に行くと彼は女装を拒否するじゃありませんか!
そんなことは絶対ダメです!
我が国の損失です!
窪田衣織、明石時枝、菅沼穂奈美、学園でも屈指の美女に加え、超絶可愛い男の娘のアイドルユニットですよ!
ビジュアル的にも話題性もこれ以上ないって程の逸材なのに、なんで分からんのだ!
「ねえ、そろそろ練習したいし、このままじゃラチがあかないわ。ここはひとつ、鳴と鳥坂で勝負でもしたら?」
「「勝負?」」
「そう、簡単なルールよ。鳥坂が鳴に男らしさを感じたら女装は無し、でも逆に男らしさを感じなければ女装で撮影。どうかしら?」
え、その条件ってジャッジを下すボクが圧倒的に有利じゃない?
何か裏がある?
……はっ! そうか!
窪田も彼が女装してアイドルバンドとして売り出すことを望んでるんだ!
噂では、窪田と彼は付き合っているらしいし、立場上言いにくいから勝負で納得させるつもりなんだね!
窪田衣織……なかなかの策士よのう。
ボクが窪田の望み叶えてあげます!
「じゃぁ、練習練習! いつも通り織りなす音からね」
川瀬の仕切りで彼女たちの練習が始まった。
ボクは最高の被写体を見つけたと言っていました。
でも……。
間違いでした。
エモォォォォォォォォォォォォォォッ!
にゃんじゃこりゃ!
めっちゃかっこいいじゃないですか!
なんですかコイツは!
女装したら何もしてなくてめっちゃ可愛くて、ギター弾いたらめっちゃカッコいいじゃないですか!
ヤバい……ダメだ……よだれが……あ。
さすが、我が校のアイドル窪田衣織を射止めただけのことはありあすね。
もう、色々ヤバいです。
……そんな顔でも見つめられたらボク。
あっ……。
「音無くん……やっぱり女装は無しで……」
『『え!』』
男どもはみんな驚いていたけど、女子は誰1人驚いていない。
彼女たちはみんな知っているのだ。
音無くんがギターを弾くことの破壊力を……。
ミュージック・ビデオ撮影が楽しみで仕方ありません。
窪田衣織、音無鳴。
コイツら絶対2人ともアイドルになるよ!
げへへ……。
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【あとがき】
鳥坂やばいです! キャラ濃いです!
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