第43話 浮気疑惑
ユッキーからのメッセージ目が覚めた。
『学園SNSを見ろ』
学園SNSとはウチの学園のタグが付いたSNS投稿のことだ。
学園の情報がタイムリーに調べられるので、利用している生徒は多い。僕はアンチが多く湧いているので精神衛生上あまり見ないようにしている。
とにかく僕はユッキーに言われるがまま学園SNSを開き愕然とした。
「な……なんで?」
思わず声を上げてしまった。
学園SNSの投稿が、僕と愛夏の写真と、僕と結衣さんの写真で埋め尽くされていたからだ。
愛夏との写真はデートの夜のもので、結衣さんとの写真は昨日のものだった。
一体誰が……なんのために。
もしかして、つけられていたのか。
色んな憶測が飛び交うが、取り敢えず身支度を整えて衣織との待ち合わせ場所に向かった。
——「鳴、これどう言うこと?」
当然のように写真の件について衣織に詰め寄られた。
「衣織、ごめんなさい、これには事情が……」
「私、浮気は許さないって言ったよね?」
「はい……」
「なら、これは何? あの子だけじゃなく結衣とまで……アンタ一体何をやっていたの?」
今の一言で結衣さんが、事情を説明していないのが分かった。
「説明してくれるわよね……」
「はい……」
取り敢えず僕は衣織に愛夏との出来事を説明した。
「そう……それは分かったわ。今度からは先に教えてよ」
「はい」
「で、結衣の件は?」
大恩ある結衣さんに口止めされているが、これは非常事態だ。
でも……。
「ごめん衣織、僕からは言えない、結衣さんから話しがあると思うんだ」
「はあ————っ? それって何、どういう意味よ」
「やましい事は無いんだ、だから信じて欲しい」
「だからそれは、どういう意味よ!」
「ごめん衣織、結衣さんとの約束なんだ」
「パチ——————ン」
乾いた音が鳴り響いた。
僕は尻もちをついて、頬を押さえていた。
衣織と出会ったあの日のように。
「信じられない、もういい!」
衣織はあの日のように僕を睨み付けけて、スタスタと去って行った。
選択を誤ったと気付いたが後の祭りだった。
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