第4話 最強剣士現る
「……きて。起きて……起きてってば!」
最終的には掛け布団をバサッとめくられる始末だ。寝てから1日しか経過してないはず。
「おはよ……う。ふぁ〜。よく寝たわ久々に。ところで、シーナさん……さっきから俺の腹に乗っかって何してるんですか」
「ふふーん。あなたが3日も寝たままなもんだから、毎日毎日、来てやってるのに。そのお礼もないわけ?」
「あ、ありがとうございます」
今日のスタートは目の前の美少女が笑顔で微笑むところから始まった。
俺は起き上がって、窓の外を見る。そしてガルダゴとの一戦を終えた街を観察する。どうやら、被害を最低限に抑えられたらしい。あれから死者も増えていない。
「あ、そういえば。あなたの名前、聞いてなかったね。なんて言うの?」
あ、忘れてたと思わず頭をかかえる。適当な名前にしとこうと、意味も成さない名前にする。
「俺の名は、フミヤ。フミヤと呼んでくれ」
「ふぅ〜ん。やっぱりあなた、平民なのね」
ごく普通のことを言ってくるので、気になることを聞いてみる。
「平民や貴族って名前で判断できるものなのか?」
「何言ってるの?性がある私のような人達が、貴族の家系であなた……いえ、フミヤくんのような性を持たない人達が平民って分けられてるのよ。そんなのも知らないの?平民
はやっぱり平民ね」
「んだよその、平民をバカにした言い方」
「だってそうでしょ?平民は、ただ魔王軍に屈することしかできないクズどもだもの。私たち戦う貴族とは比較にならないほど底辺だわ」
屈するしかないって、どーゆうことだ?やはりこの世界は魔王軍に乗っ取られる寸前といったところか。早いうちに、魔王軍を攻略していかないと。
俺は背伸びをして、シーナの方へ振り向き、笑顔で
「他の魔王軍幹部のやつらの居場所はわかるか?」
と、聞いてみた。
「わかるわけないでしょ!」と、返答がきた。当たり前だけどな。まだ、足りない。俺と治癒師だけじゃまだ。もっと火力を出せるメンバーと守りの硬いメンバーが欲しいところだ。
「失礼するよ。お兄さん方、ちょっと話があるっていうお客さんが来てるんだけど、どうするんだい?」
この宿屋の主人だろうか。おじいさんがそう言ってきた。その話を聞いてみようとなり、その人をこの部屋へ連れてくるように言った。その人と言うのが……。
「あなたが、魔王軍幹部のガルダゴを倒したっていう、英雄?」
見た目はごく普通の少女といったところだ。年齢は13ぐらいかな?で、身長158ぐらい、青と白のワンピースに、金髪。白いハットを被っていて腰に鞘を帯びている。彼女は女剣士だろうか。
「私の名前は、ティファレス・サナ。サナと呼んでくれて構わないわ。一戦交えてみたくて話かけました。一試合、受けてみませんか?お願いします」
彼女のお辞儀は丁寧だった。そこまでお願いされたらやむを得ないため仕方なく。
「いいぜ、受けて立つ」
と、思わず返事してしまった。彼女がそう、この世界の唯一の女性騎士で、最強と謳われている人だとは知らずに……。
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