第2話 仲間を集めよう!
とりあえず、仲間が居なきゃ話にならないため仲間集めに専念することにした。最初の街だけあって、なかなか冒険者も多い。
「はぁ……。どうしてこうなったのやら」
俺は今、1人目の仲間を隣に歩かせている。その子の名はガルフォス・シーナ。ガルフォス家という貴族に雇われた身らしい。
なぜ雇われたのかは、教えてくれはしなかったが、いずれはまた聞くつもりだ。
赤い髪に、細くて晒しだしている綺麗な足、身長は160ぐらい。顔色はとても明るく、見てるこっちが和める雰囲気をしている。
「ためいきなんかついてー、どうしたの?」
こいつは……そう、極度の変態だった。
「どうしたの?じゃねぇ!!俺のところに来てみたらなんだよ!お前、『私の笑顔にキュンキュンしちゃう?したら仲間になってあげてもいいよ?』意味わからん!!」
変態というより、ナルシスト?なんだか、よーわからんな。でも、性能とかは俺よりずば抜けて高い。かなり冒険したふうに見える。
「えへへー。だってぇ、そうでもしないと仲間に加えてくれる人いないんだもん……」
ちょっとしょんぼりしているようなシーナ。こいつのような、優秀な冒険者がなんで仲間に入れさせてもらえないのか聞いてみると。
「……。言ったら外すでしょ?パーティーから」
「外さない」
「あの……ね、実は……。私、治癒師をやってるんです!」
治癒師ってあれか、回復に特化した職業ってことなのか?外す理由が全くないんだが。
「いや、外す理由なんて全く思い当たらないけど?」
「それだけじゃなくって……。なんと!レベル60なのに、回復魔力が8000もあります!ただし!!攻撃魔力は……0〜……」
最後の悲しげなトーンはなんなんだ。まあ、外される理由はだいたいわかった。こいつ、火力に関しては壊滅級にダメだ。
「なるほど、攻撃が全くできないってことか。攻撃スキルも、魔法も、ないんだろ?」
「もちろん!治癒師でも、その類は覚えられるんだけど……。私、可愛いから似合わないかなぁってさ」
でも、これで2人だけだが、少しはバランスの取れたパーティーになったはずだ。攻撃は3人目が増えるまでは俺が専念すればいいし、特攻しても彼女が回復してくれる。
「外さないに決まってるだろ。まあ、よろしく頼むわ」
「やったああああ!」
こうして、新たな仲間を迎え入れ、俺たちは一度酒場に行くことにした。
「へい毎度、ジャイアントコブラの丸焼きとクイーンバチのミツを添えたパンだよ」
「美味そうだな……」
「でしょ!ここの料理絶品なんだぁー」
いただきますと言って、丸焼きを1口、口に入れる。少し硬いが、普通に美味い。日本で言うところのハンバーグみたいな味がする。
次にパンをいただく。こちらは、まるでパンケーキだ。普通に甘くて美味しい。
「ご馳走様」
彼女はまだ食べ終えていなかった。彼女が丸焼きを食べ終えた時、 酒場の扉が急に開き、1人の若旦那が入ってきた。
「た、大変だ!!魔王軍幹部の一人、ガルダゴと名乗る奴が!街を襲っている!」
「なんだと!?」
みんな席を一斉に立って酒場を出る。魔王軍幹部ってことは、それなりに強いやつってことか。俺たちが出る幕じゃ、なさそうだが。
「魔王軍幹部だってさ、私たちも、もちろん行くよね?」
シーナに、可愛くお願いされたら断られるはずも無く
「ああ、行くに決まってる。この街には世話になってるしな」
こうして、魔王軍幹部と初めての戦闘になるのであった。
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