第43話 一日を振り返って

 私とクラーナは入浴を終え、ベッドに入っていた。

 もちろん、同じベッドだ。


「クラーナ、今日も一日お疲れ様だね」

「ええ、お疲れ様ね」


 ベッドの中で向き合いながら、私とクラーナは話し合っていた。

 一日の終わり、思い返してみると、色々なことがあった気がする。


「今日は、色々あったよね」

「そうね、確かに色々あったわ」

「ギルドではリュウカさんと出会ったし、買い物ではテットアさんと再会できたけど、私達のことを受け入れてくれる人もいるものだね」


 まず、私が思い出したのは、今日出会った人達のことだ。

 嫌な人ばかりではなく、いい人もいる。それがわかったのは、とても嬉しかった。


 パーティを追い出された時は、もうそんな人いないと思っていたけど、そんなことはなかったのだ。


「確かにそうね。そういう人がいてくれるのは、嬉しいことだわ」

「うん……」


 クラーナも、私と同じように嬉しく思ったらしい。

 やはり、自分達を受け入れてくれるのは、嬉しいものなのだ。


「アノンの引っ越しもできたし、これで一安心よね?」


 そこで、クラーナがそう言ってくる。

 確かに、引っ越しもうまくいって、よかった。


「あ、そうだね。これで、同棲……いや、同居?」

「同棲……」


 私とクラーナは、同時に照れてしまう。

 私の言った同棲とは、リュウカさんに言われたことである。そこで、結婚するのかと言われてしまったのだ。

 それを思い出し、お互いに照れてしまったのだと思う。少なくとも、私はそうだ。


「あ、それにチョーカーも買ってもらったわね」


 そこで、クラーナが空気を変えるためか、そう言ってくれる。


「あ、うん。嬉しく思ってもらえたなら、よかったよ」

「ええ、本当にありがとう。とても嬉しかったわ」


 クラーナは笑顔で、お礼を言ってくれた。

 その笑顔が見られただけで、私は満足だ。


「それに、大切な人と言ってもらえたのも、嬉しかったわ」

「そ、それはお互い様だよ? 私も、とっても嬉しかったし……」

「そ、そう? それなら、よかったわ……」


 私とクラーナは、お互いに大切な人と言い合った。

 それはお互いにとって、とても嬉しいことなのだ。


「なんだか、照れ臭いわね」

「あはは、そうかも……」


 結局、私達は照れ合ってしまう。

 クラーナと一緒だと、照れてばかりだ。でも、悪い気はしない。


「……さて、そろそろ、寝ないとね」

「あ、うん、そうだね、お休み」

「ええ、お休み」


 私とクラーナは、身を寄せ合ってそう言い合う。


 今日も、一日が終わる。

 明日もクラーナと一緒に、頑張っていこう。

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