会戦前の強攻。これって難しいね。1148文字
出ます。
迷った結果ですが、強行をして先に仕掛けてつぶしていくことにしました。
先手必勝とは言ったもの。先に手を出す理由を見つけました。
今夏真っ盛りなんですよ。ということは収穫が行われていますでしょう? それを焼き払うんです。
どうなるか。冬の食料がなくなって城にある備蓄を放出するか、一般民は飢え死にしていただくかの2択を強いることができる。
いまのきつねは悪いきつね。ぐはははは。
あ、うちはうちで冬の期間中に軍隊がどこで過ごすかは考える必要があります。どう考えてもオークのところまで進軍したまま冬を迎えたら兵站が機能しない。わが国から2か国も経由してモロコシを運んでいるんですよ。モロコシは相当な備蓄があるので輸送さえできれば何とかなるんですが。ソラちゃんでもヒラちゃんまで戻っても冬は道が機能しないから厳しい。うちの国まで一度戻すことになるかなあ。
ま、冬は冬の時考えればいっか。今はどうやって効率的に家々を滅ぼしていくかを考えよう。
しかしこの素晴らしい案。これハルキ君に言わせると結構難しい問題らしい。
「一般市民を殺すのは、訓練された兵士でも忌諱します。民兵が中心のわが軍ではかなり難しいでしょう」
「まじかハルキ。だめか」
「追い払う、冬直前まで農作業をさせない、程度が精いっぱいです」
きつねの案、見事に崩れました。しっぽしょぼぼん丸。
「必死に守ったゴブリン攻防戦と、逆に攻めていく今回の戦争だと、途中からの士気がまるで違ってきます。最初はみんなやる気満々ですけどね」
「むー。確かに攻め入るわけだもんねえ。3か国の専門兵士出してもらうかあ。統率執れるかしらね?」
「サクラさんなら大丈夫だとは思いますが、足並みはそろわないでしょうね。そういう訓練をしておりません」
「日米共同軍事訓練とか国際共同軍事訓練なんか、してないもんね……」
「分担作業をするほうが良いでしょうね」
ハルキ君がそういうので、一般オークを追い払う我が国最強の兵士ケンタウロス部隊、家を取り壊すソラ兵士、穀物を焼き払うヒラ魔術部隊、という風に役割分担をすることにしました。ソラ兵士は復讐に燃えているから、家の取り壊しとか割と心に来る部分もやってくれるでっしゃろ。ヒラ魔法部隊は魔法だしパパっとやればそうそう式には響かないでしょう。きっと恐らく。だって試したことないしなー。
「よーし、万全の準備もできたので試しにやってみるぞー」
ということでオークの村々を焼き払っていきます。
一つ目の村をぼーっと燃やしました。火ーめらめら。
飛び交う火炎、崩れる小屋、泣き叫ぶオークの一般市民。
「あかんわこれ。私の精神が持たない。あかんわ」
「言い出し者が根を上げましたねサクラさん」
「う。いやだって村を襲って全て焼いて壊すだなんてやっぱり難しいよ。きつねはもうしませーん」
「まあ、これだけでも十分挑発にはなるでしょう、オークは勇猛ですから必ず反撃に出ます」
実際、そそくさとソラちゃん城に戻るときにささやかな人数のオーク部隊が突撃してきました。
ケンタウロス部隊があっさりと返り討ちにしましたが、オークとしての意志は示せた、という感じでしょうかねえ。
やったらやり返す。それが戦争。
ということで、ソラちゃんの数村が荒らされそうになったという情報が飛んできました。
そうになったってのは、防衛魔法陣が働いて被害が出なかったってところなんですけども。エルたんの魔法陣は完璧。
しかし何度も襲われると魔法陣の魔素が切れちゃって効力が停止するかもしれません、やべえな。
冬になる前に一度全軍でオークの砦を攻めておきましょう。荒らす余裕をなくさせる。
かいたく!~目指すは最強都市! 私の都市をみんなでどんどん成長させていくよ~ きつねのなにか @nekononanika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。かいたく!~目指すは最強都市! 私の都市をみんなでどんどん成長させていくよ~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます