第14話 以上現場からお送りしました。

 季節は3月下旬 !この地域は夏真っ盛り! 暑い!! ケモにはきつい!! 以上現場からお送りしました。




 開拓地が発展? した? のかな? まあそういう感じで、古い井戸が宝箱ボーナスで手に入ったよ!


「水は重要なので重要防御区画、この開拓地の中心部に建てるか、さりとも人の活動に必須であるから一般の家の近くに建てるか……」

「うーん。悩みますねお館様」

「何処に建ててもあっしが運んでやりますぜぇ!!」

「市長の考え一つではあるが、重要な決断だな。この草原じゃあそう簡単に井戸は掘れないだろう」

「らくーにやるならもう一個を宝箱から買えばいいんだけどねえ。高いんだよねえ……」


「じゃあ楽に考えて重要防御区画である第1の壁の中に、住居と井戸を作るっすよ。区画整理しようっす。第2のルーデルをここに建てるっすよ」

「ハリコー!それだ!」


 というわけで区画整理をします。サクラの家と食料保存庫そして大きな物置があるところを重要防御区画として設定、その周辺を覆うように住居を建築、そして第1の壁を建設、とりあえず木の壁でやります。農業している地域は整理し直して農業区画とし、木の柵で覆う。



「という感じにしまーす。石屋の石がたまったら順次石の壁にしていこう! 家も石やレンガ造りにしたいねー」


「綺麗にやるなら測量が必要ですね。私の【地図魔法】で正確にやりましょう、お館様」

「あっしの筋肉で何とかしましょうぜぇ!!」

「知恵が必要だろ、知恵」


 バチバチバチバチ……

 火花が散る三人。いやだからさあ……


「うん、ケンタウロスのケンさんが【目測技術】もってるから、私の拙い【測量技術】と合わせてやるんで今回はみんなの力はいらないかな」

「「「そうですか……」」」


 明らかに肩を落とす三人。いや、ちょっとかわいいな。

 ん? あれ?


「そういえばハルキ君は??」

「鍛錬してくるといって木槍持って西の森へ行きましたぜぇ?」

「ふーん? まあいっか、訓練に勝るものなしだし」



 ハルキ君が気になりなりますが、測量開始。測量道具はなぜか宝箱で5ユロルと格安で売っていたので買いましたが……。


 むっず、測量むっず。ジャパン国の国土地理院様すっご、ここと技術が違うとはいえすっごいわーすごい。太閤秀吉の検地もえらくすごいわあ。

 宝箱には測量+測量結果の地図なんてものが売っていましたが505ユロルとぼっているのでみなかったことに。くう、欲しい。でも誘惑には負けないぞ!


 ジリジリジリジリ……


「あーつーいー!! 今日めっちゃ暑い! なんで測量してるんだろう私」


 今日は夏の中でも一番暑い時らしいです。そんな中、測量ってことで棒持って突っ立ってるわけで、ジリジリジリジリと暑さがやってきます。

 ケモにはきつい。


 あー今初めてきつねの亜人になったことを呪ってるよーあつい―。

 あー保存庫の干肉に干果実腐ってないかなー大丈夫かなー。温度湿度一定機能なんてあるわけないので中の温度すごいことになってそうだなー。


 こんなことを考えつつ数日かけて測量をしました。測量方法はああやってこうやってそうやったの、うん。数字使うんで頭の切れが良くなった気がする。そして伊能忠敬を尊敬するようになりました。忠敬様ばんざいばーんざい、しっぽぽよよよよよ!


「測量が終わったし、この開拓地の詳細を発表するよー」


 まず中心部としてサクラの家。

 半径5kmの正円な草原。本当に正円。

 そこから先に森林が広がってる。ジャスト5km以内には木が生えてない。

 この半径5kmは古代都市の名残とかかな?

 北500m付近に農作地。これは壁の配置によっては来年壊すかな。

 北17mに石臼小屋。中心から南東20mの所の一軒目の家がある。

 中心半径250m以内にはこれ以外の目だった建築物や木などは何もない。



「それで川が南にあって、川を上る南西に石とか粘土、西に岩塩とゴブリン、東にルーデル、北は未探索。という感じ」

「正円ではないが集落とここを囲む壁は出来つつあるな」

「そだねー。石壁に建て替えるときに正円にしよっか。古代都市がどうにも円形状にできているようだし」

「可能なら四角のほうがいいんだがな……」

「最初の壁くらいは綺麗に作ろ?」

 首傾げかわいいポーズ!!


「そ、そうだな、そうするか。わはは」

「わーい、きっこりーだぁいすき」

 さすがわたし。あざといわたしわたしあざとい。

「「ぐぬぬ」」


 三人の私争いを過熱させたところで、ハルキ君が帰還。


「おお、ハルキ君おかえり。今日はどうだった? 鍛錬できた?」

「ふ、鍛錬もくそもないぜ。俺は今日からウルトラハイスペックハルキ王子と名乗らせてもらう」

「はあ?」

「俺の加護が分かったんだよ、サクラさん」

「お、なになに?」




「熟練度がすべての世界で、俺だけ経験値レベルアップ制でした」

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